お正月を飾る万両の花が見頃です


 今年は梅雨明けが遅れましたので、海水欲にも行く気持にもならず7月が過ぎてしまったと思っている人も多いのではないでしょうか。暑中お見舞いをと思う間もなく『立秋』暦の上では秋になってしまいます。

 でも夏はこれからです。思い切って戸外で活動し自然と親しみたいものです。

この季節の植物達は、春のような華やさかはありません。圧倒的な周りの緑に気後れしているわけではないと思いますが、咲く花は可憐で小さいものが多いようです。

  お正月を飾る花と一緒に活ける『マンリョウ(漢字では万両と書きます)』と呼ばれている赤い実のついた植物があります。その名前から縁起を担いで人々に愛されているのだと思いますが、姿も美しいので昔からお正月にはなくてはならない花になっています。

 その『マンリョウ(万両)』の花は今が盛りです。

 マンリョウの実がヒヨドリたちの小鳥たちの冬の餌になっている上、発芽しやすい性質があるらしく、どこでもこの実生(種から発芽した小さな命)を見つけることができます。ちょっとした林や森の端っこ、あるいは都会でも公園や庭の隅などでひっそりと咲いているので、親子で納涼を兼ねて見つけるのも楽しいのではないでしょうか。

 白い小さい花が、下向きにかたまってぶら下がるように咲いている様は、実に可愛いのですが、大きな分厚い葉に隠れることが多く、良く見ないと見落としてしまいます。こんな小さな白い可憐な花が、お正月の床の間を飾る豪華な真っ赤な実になるのですから自然って素晴らしいですね。白い花から赤い実にある様子を連想すると、きっと植物大好き・自然大好きになるに違いありません。

 最近では、お正月の花として、下向きに実をつけるマンリョウより、上向きに実をつける『センリョウ』の方に人気が集まっているようですが、そのセンリョウも小さな緑の実をつけています。

 これから約半年かけて、この小さな、小さな緑の実は徐々に色づいていくのですが、その色の変化を楽しんでほしいものです。
(杉)