14. まぐろは、ずっと泳ぎつづけるってきいたのですが、これは本当ですか?まぐろは、うまれた瞬間(しゅんかん)から泳ぎ始めるのですか?寝たり、休んだりしなくても大丈夫なのですか?(高橋英明・中二)

クロマグロやアオザメなどは、昼夜を問わず大洋を泳ぎ続けます。睡眠(すいみん)については、魚には目の上にまぶたがありません。したがって眠っているかどうか判断することは難しいのです。魚類では、活動停止状態や不活発な状態が見られるので、明らかにこの時に睡眠していると考えられています。しかし、昼夜常に泳いでいるマグロなどは睡眠状態がはっきりしておらず、イルカなどのように左右の脳を使い分けて睡眠しているか、または脳を休めるような働きがあるのではないでしょうか?最近では、マグロも水族館や養殖場で飼育されるようになってきたので、魚類の眠り、睡眠についての研究が期待できるでしょう。
(生物産業学部生物生産学科教授 鈴木敦志)

【参考図書】
魚の国の驚異 岩井保著   朝日新聞社 1976年
睡眠の不思議 井上昌次郎著 講談社現代新書 1988年
魚の辞典   編集 能勢幸雄・羽生功・岩井保・清水誠 東京堂出版 1991年
クジラとイルカの図鑑 マーク・カーワデイ―ン著 日本ヴォーグ社 1998年
付記:マグロ等の筋肉は、血合筋(ちあい)が発達しています。血合筋は、白色筋(白身のところ)に較べて瞬発力はないですが、持続性があり、回遊するときには血合筋を使って遊泳しています。長距離でも疲れないのです。


13. せみは木の汁を吸っていますが、木によって汁の味はちがうのですか。(いこまゆき・8才)

ゆきちゃんは、やさいやくだものは好きですか?にんじんとだいこんは味がちがいますね。りんごとなしも味がちがいますね。木の汁もこれと同じように、しゅるいによって少しずつ味がちがうと考えています。よくかんさつしてみると、せみがよく汁をすう木と、そうでない木があります。せみにも味がわかっているのかもしれません。
(農学部農学科 岡島秀治教授)


12. かぶと虫は樹液(じゅえき)をなめるそうですが、あまいんですか。(二瓶幸子・11才)

樹液をなめたことがないので、どのような味がするのかわかりません。おそらく甘酸っぱい味がするのだろうと想像しています。幸子さんは樹液のにおいをかいだことはありますか?甘酸っぱいにおいがします。樹液は木の幹の傷からしみ出た汁に含まれる、甘い成分(糖分といいます)が、発酵(はっこう)してできたものです。私たちは、お米などの糖分を発酵させてお酒やお酢を作っていますが、これは樹液のでき方と似ていますね。
(農学部農学科 岡島秀治)


11. とまるとき、ガは羽をひろげていますがチョウはとじています。同じ羽なのになぜちがうのですか。(岡真知子・12才)

チョウやガにとって、とまって休んでいるときは一番危険なときなのでしょう。鳥などにおそわれるからです。多くのチョウでは羽の表側は美しい色をしているので、目立ちやすく、羽を閉じてそれをかくすのでしょう。多くのガでは羽の表側も目立たない色をしているために開いたままでとまるのでしょう。ただし、チョウにも羽を開いてとまる種類がありますし、ガでも羽を閉じてとまるのがいます。
(農学部農学科 岡島秀治)


10. 私はごきぶりがきらいです。てかてか黒光りして気持ちわるい。でも、ごきぶりは三億年も前からいたってききました。なんでそんなに生きられるの?おばあちゃんは、「にくまれっこ世にはばかるだよ」っていいますけど。(大宮真利子・中一)

「ゴキブリが3億年前からいた」というのは、3億年前にも現在のゴキブリに似た生物がいたという意味で、ゴキブリが3億年長生きしているというのではありません。ゴキブリの寿命(じゅみょう)は種によっても違いますが、せいぜい数ヶ月です。実際に、ゴキブリの最も古い化石は約3億年前(古生代石炭紀:こせいだいせきたんき)の地層(ちそう)から発見されており、その形も現代のゴキブリによく似ています。ヒトの最も古い化石はせいぜい500万年前ですから、おどろくほど長くいることになります。
(東京農業大学農学部農学科 岡島秀治)


9. 人以外の動物にも血液型ってあるの?(吉田紀子・小六)

イヌ、ネコ、トリ、ウマなどなど、人以外の動物にもみんなそれぞれ血液型があります。血液型は血液だけでなく、唾液(だえき)や汗、お乳からも判定(はんてい)することができます。私の研究室(けんきゅうしつ)ではウシの血液型の研究をしていますが、ウシでは100種類をこえる血液型が知られていす。血液型は親から子へ遺伝(いでん)するので、ウシでも人と同じようにお父さんやお母さんをさがすとき(親子判定といいます)の道具として使われます。
(東京農業大学農学部畜産学科 野村こう)


8. ずっとなりっぱなしになっていた近所の柿の実を、ある日をさかいに鳥たちがきて、たべはじめました。鳥には、実のたべごろがわかるのでしょうか。わかるとしたら、どうしてわかるのでしょうか。(坪内隆・小六)

人間も含め,動物には,視覚(しかく),聴覚(ちょうかく),味覚(みかく),触覚(しょっかく),嗅覚(きゅうかく)などの感覚(かんかく)があります。鳥ではどのような感覚が発達しているかというと,視力と聴力が発達しています。そのよい目でいつもえさをさがしています。そして,どこにえさがあるのかは色で区別するのです。また、植物も果実がおいしくなった時期を色で教えているのです。そのような理由で,鳥は果物のおいしい時期がくると食べることができるのだと思います。
(東京農業大学農学部 小川 博)


7. 蚊は血を吸うけど、蚊にも血液型って、あるの?うちでは、家族みんなでいても、お父さんが一番よくさされます。とくにおいしい味のする血、とかあるのですか?(飯田みち子・小六)

昆虫(こんちゅう)と人の血液はたいへん異なり、蚊には人のような血液型はありません。蚊は炭酸(たんさん)ガスと体温と肌のにおいにひかれて、血を吸いに集まります。したがって個人差があるのです。
(東京農業大学農学部農学科 立川周二)


6. うちの庭には、もう5年前ぐらいからひきがえるが住んでいます。うちにも隣近所の家にも池はないのに、なんで、ひきがえるが住むようになったのでしょう。水がなくても生きていけるのですか。(田中素子・小六)

カエルはおなかの皮を通して水を体内にとり入れることができます。おなかを水につけたり、しめった土につけたりして、水を吸収(きゅうしゅう)します。ヒキガエルはうまれた池からかなり遠いところまで移動(いどう)して、エサがありしめったところなら生きていけます。
(東京農業大学農学部農学科 立川周二)


5. 羊の毛がりをみました。毛をからないと、羊は夏の暑さでまいってしまうとききましたが、人間が毛をかるようになる前、羊たちは毛をどうしてたんですか?(長浜ゆうき・小五)

羊の先祖(そせん)はムフロンという毛の短い野生の種類です。羊の毛が長いのは人間が毛を利用するために改良(かいりょう)したからです。だから人間が毛をかるようになる前の羊たちは、「毛が長くて暑いよう」なんてことはなかったのですよ。
(東京農業大学農学部畜産学科 大谷 忠)





4. もんしろちょうはキャベツに卵をうんで、あげはちょうはみかんに卵をうむそうですが、ちょうちょは、どうやってキャベツやみかんを見分けているのですか。(関根陽子・小五)


チョウの幼虫(ようちゅう)のエサはかぎられています。チョウはまちがえることなく、幼虫のエサの植物に産卵(さんらん)します。それは植物のにおいが種類ごとにちがうので、見分けることができます。チョウは触角(しょっかく)などでにおいをかいでいます。
(東京農業大学農学部農学科 立川周二)





3. かたつむりは、殻(から)にはいるとき、おしりからはいるのですか、頭からはいるのですか。そして、かたつむりが、殻にはいりきれなくなるくらい大きくなってしまうことって、あるんですか。(永田千春・小二)

これは私の専門(せんもん)ではないのでよくわかりません。が、おおよそ次のようなことだとおもいます。カタツムリの殻は私たちの皮膚(ひふ)のようなもので、体の外側につくられます。したがってカタツムリの成長(せいちょう)にあわせて殻もおおきくなります。ですからカタツムリは殻から出入りすることもありませんし、体が殻よりおおきくなることもありません。
(東京農業大学農学部 岡島秀治)





2. みみずの目はどこにあるのですか?そして、どっちが頭で、どっちがおしりですか。みみずは土をたべるそうですが、土の好きキライはないんですか。(福島順・小一)

みみずにはわたしたちのような目はありません。そのかわりに、頭にあるたくさんの神経(しんけい)が目や鼻や耳のかわりをしています。また、白い色をしたすこし太くなったところがある方が頭、反対側(はんたいがわ)がおしりです。みみずにも土の好ききらいはあります。くわしくいえば、みみずは土ではなく、土の中にあるくさった植物(しょくぶつ)や微生物(びせいぶつ)を食べているのです。だから、野菜(やさい)クズや生ゴミなどがたくさん入っている土にはみみずがいっぱいいます。そのみみずのうんこが栄養(えいよう)のある良い土になります。
(東京農業大学応用生物科学部 前田良之)


1. むかでの足って、本当に百本あるのですか?(谷中しゅん・小一)

なかまによってちがいます。イシムカデのなかまは成体(せいたい)で15対(つい)30本。オオムカデのなかまでは21対42本か、23対46本。ジムカデのなかまでは31対62本より多く、100本をこえる種類(しゅるい)もあります。ちなみにふつうよく見ることのある中〜大型(がた)のムカデはオオムカデのなかまです。成体、対ってなにか?おとうさんおかあさんにきいてみてください。
(東京農業大学農学部 岡島秀治)


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