16.東京農業大学の先生に質問します。レンゲの種を1キロいただきました。どのくらいの広さの土地にどのくらいの量をまいたらよいのでしょう。どんな土地がよく育つのでしょう。 まく時期や注意を、おしえてください。(すとうあさえ)

レンゲは、マメ科の1年草の野草で、原産は中国です。
日本では、水田裏作として良く植えられ、緑肥植物として栽培されていました。最近は、化学肥料などの普及により、みられなくなりましたが、千葉県や静岡県などでは4〜5haの水田にレンゲやスミレなどを植えて、観光のスポットとしているところもあります。
レンゲの活用法としては、
@グランドカバーとして校庭などに植える。高さ10〜25cmになり、一面を覆い、強健である事からよく使われています。ただ、多少湿気の多いところを好みますので、乾燥地には適しません。  A屋上緑化にも適しますが、湿気が問題点としてあります。
B休耕田や家庭菜園などの土地を活用して、野菜や麦・蕎麦などの有機栽培にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
Cあるいは、学校の小動物園(ウサギや鶏)などを、レンゲの上で飼育するのも良いと思いますが、ことのほか大変です。
Dプランタを活用してレンゲ栽培をするのも良いでしょう。子ども達に20〜30cm×20〜30cmのプランタを用意して、それぞれがレンゲを植え、校庭や屋上などに並べるとレンゲの絨毯ができます。
なお、レンゲの播種時期は、9月から10月の稲刈りが終わった後が最も良いとされています。
(東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科 宮林茂幸)


15. 木の根はどのくらいまで広がるのですか。木の高さによってちがうのですか。(林良・9才)

木の根は、木の種類や土の状態によって異なりますが、生まれてから2〜3年のうちはどんどん深くなり1mをこします。しかし、木がどんなに高くなってもおよそ2mくらいです。さらに木が育つ条件が良くても4mくらいといわれています。また、木の根は、木の種類によって横に広がって伸びたり、まっすぐ下に伸びたりします。
(地域環境科学部森林総合科学科 宮林茂幸)


14. 野ぶどうって、なんかおいしそう。いろんなところにあったらいいな。学校の帰りとか好きなときに食べられもの。でも、野ぶどうって、ほんとに食べられるのかな?(藤井愛里・11才)

野ブドウ(ヤマブドウ)は食べることができます。野山にたくさんあるツル類の仲間です。果物屋さんにあるブドウはこのヤマブドウを改良(かいりょう)してつくられました。山の猿や鳥などは、あまずっぱくていい香りがするヤマブドウが大好きです。もちろん私たちの先祖(そせん)も食べていたことでしょう。
(地域環境科学部森林総合科学科 宮林茂幸)


13. 小学校に桜の老木がありました。花はそんなに多く咲かなかったけど、とてもきれいでした。一度、さくらんぼ(?)をとって食べてみたけど、おいしくなかったな。学校の桜にも甘いさくらんぼがなったらいいのにね。学校の桜には、なぜおいしいさくらんぼができないの?(柳友里絵・13才)

食べられるサクランボの実をつけるサクラと小学校の校庭のサクラは、種類が違います。果物屋さんのサクランボは、オウトウ(桜桃)またはシナミザクラという食べられるサクランボをならせるサクラの木です。小学校のサクラの木は花が美しいソメイヨシノが多く、春の花や夏の日陰などの目的で植えられています。また小学校のサクラは、入学や卒業などの記念に植えられることもよくあります。
オウトウなどは、食べられるところが厚いので大きく甘酸っぱくておいしい果実がなります。サクランボの木は、晴れの日が多く涼しくて土が少し乾燥しているところが好きです。日本では東北地方や北海道が適しています。東京などでも、植える場所や病気・害虫に注意して育てれば、たくさんの実はつけませんが、サクランボを食べることができます。
(地域環境科学部造園科学科 濱野周泰)


12. 花びらの色が一枚一枚ちがう花があったら楽しいな。きれいだから、ちょうちょも いっぱいきてくれるしね。カラフルフラワーが本当にあったら、種もやっぱり カラフルだと思うな。品種改良(ひんしゅかいりょう)でカラフルフラワーを作ることできるの?(藤沢裕美・11才)

花びらの色が違う花は意外と身近にあります。花壇(かだん)にあるパンジー(三色スミレともいいます)の花は、それぞれの花びらが違う色をもっています。植物園などでランの花びらをみても色が違うのに気がつきますよ。パンジーもランも品種改良前は、こんな色をしていませんでした。パンジーは、青や黄、赤、白などの花をつける野生のスミレが利用され品種改良されました。とても長い時間がかかりますが、カラフルフラワーができる可能性はあります。
【補足】カラフルフラワーができても、たくさんチョウがあつまることはないかもしれません。チョウにも好みの色はあり、モンシロチョウは黄の花を、アゲハ類は赤の花を好みます。しかし、野生の花にカラフルフラワーがないのは、昆虫は色が複雑に組み合わされた花を見分けられないからかもしれません。昆虫は、花全体の形や全体の色をみて好みの花をみつけているらしいのです。
(農学部農学科 雨木若慶)


11. ぼくは木登りが得意です。この前、父がハンモックをもらったんだけど、つるせるような木が見つからなくて、まだ使っていません。公園にもハンモックをつるせるような木があったらいいな。ハンモックをつるすのにぴったりの木はなんですか?(須藤竜平・12才)

ハンモックをつるすのによい木は、日陰が明るい落葉樹(らくようじゅ)です。ハンモックは、2本の木の幹と幹の間につるすのが丈夫でよいと思います。このときはクヌギやケヤキなど幹がまっすぐな木を選んでください。大きな木で太い枝のあるエノキ、ソメイヨシノなどの枝にもつるすことができます。毛虫やダニが落ちてくるかもしれませんから注意が必要です。
太い枝にかけるときには、地面に近い低いところにある枝で幹に近いところを利用してください。また木の幹を利用するときにも腰かけて足が地面に着くくらいの高さにつるしてください。
公園の木は、みんなの木ですからハンモックをかけて使えるのか、公園を管理している人に聞いてください。またヒモを幹や枝に巻きつけるときには、タオルや毛布などの布きれを巻いて木に傷がつかないようにしてください。
(地域環境科学部造園科学科 濱野周泰)


10. 梅の実は梅、びわの実はびわ、というように、実は木の名前と同じだと思っていましたが、なぜ、「いちょう」の実は「銀杏(ぎんなん)」とよばれるのですか。また、なぜ「稲」は「米」とよばれるのですか。(田中耕・中三)

「いちょう」は日本語で「銀杏」は中国語です。「銀杏」はGINKOUと中国語で呼ばれ、英語も中国語でGINKOと呼んでいます。日本語は「ぎんなん」と発音しています。正確には「ぎんなん」の実、要するに「いちょう」の実でしょう。
稲の穂(稲の果実)を脱穀(だっこく)したものを米と呼んだのは、水田に苗を植えて米にするまで沢山の人の手間がかかるので、八十八を組み合わせた米という字を作ったといわれています。
(地球科学技術総合推進機構 坂田俊文)


9. 木にも、寿命(じゅみょう)ってあるんですか?あるとしたら、木によってどのようにちがうのですか。(井上裕子・中一)

木は寿命がありません。木は常に新しい細胞(さいぼう)を作りつづけているからです。しかし、気候(きこう)などの木をとりまくさまざまな環境によって大きく左右されます。東京農業大学の奥多摩演習林(おくたまえんしゅうりん)では400年をこす栗の木があり、実もつけています。
(東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科 宮林茂幸)


8. チューリップやヒヤシンスなど、球根(きゅうこん)から育てる花を種から育てるのはむずかしいのでしょうか。育て方のコツを教えてください。(高井厚子・小五)

球根が小さいうちは養分(ようぶん)が少なく花が咲きません。球根が大きく養分が豊富(ほうふ)になると、花が咲きます。たとえばチューリップでは、種から初めて花が咲くのに約6年かかります。そのため、新しい品種(ひんしゅ)を作るとき以外は、種から育てません。
(東京農業大学短期大学部生物生産技術学科 井上知昭)


7. いちごの実についているツブツブが、タネだってきいたんですけど、そのタネからいちごを育てるにはどうしたらよいですか。(山中よしえ・小五)

あなたのいう黒いツブツブが種です。その種をとってよく洗ってまけば芽が出てきます。光が当たっている方がよく芽が出ますので、かわかないようにミズゴケの上にでもまいておくとやがて芽が出てきます。葉が2枚ほど出たら、鉢に植え、秋に畑に植えておくと次の年の5月頃に花が咲き、実がつきます。
(東京農業大学農学部 市村匡史)


6. 花にはいろんな色があるのに、なんで葉はみどり色なの?(渡辺創・小三)

葉の大切なはたらきはデンプンという栄養分(えいようぶん)をつくることです。栄養分をつくるのには、太陽の光の力を利用します。光をつかまえるためには、緑色をした葉緑素(ようりょくそ)が必要です。だからすべての植物が同じ緑色の葉をもっているのです。
(東京農業大学農学部 雨木若慶)


5. 種なしぶどうや種なしの柿は、どうやってふやすんですか。(堀春喜・小三)

ブドウやカキなどの果実のなる木は、種でふやすことはありません。それは簡単に食べられるようになるのに長い年月を必要とするからです。果樹では、枝の一部を切り取って、さし木やつぎ木によってふやします。
(東京農業大学農学部 宮田正信)


4. 花や木にも、うれしいとか、悲しいとか、痛いとか、気持ちがあるの?(保倉俊介・小二)

植物には私たちがもっているような気持ちはないとおもいます。でも、植物も生きています。自然の中で暑さや寒さを感じながら生きています。人間が植物を大切に育て、手をかけてやれば、よく成育(せいいく)し、ときには植物にも気持ちがあるようにみえることがあるのです。
(東京農業大学農学部農学科 鈴木重俊)


3. すいかは野菜っていうけど、野菜と果物のちがいってなんですか。(菅野あきお・小二)

ナスやピーマン、スイカ、メロンなどは草の性質(せいしつ)をもつ植物に果実(かじつ)をならせる野菜のなかまです。ナスやピーマンの果実は野菜として利用し、スイカやメロンは果物として利用します。性質は同じですが、利用方法のちがいによって野菜と果物にわけています。
(東京農業大学農学部 宮田正信)





2. 隣の空き地にいつのまにか草がいっぱい生えだしました。種もまかないのに、どうして草ははえてくるんですか。(山村和・小二)

雑草(ざっそう)はいつのまにか空き地にいっぱいになります。雑草の体は小さいけどたくさんの小さな種子(しゅし)をつくります。タンポポのように風にのって運ばれてくる種子もあります。種子は雨水や風を利用して広がっていきます。条件(じょうけん)がそろえばどんどん芽をだします。
(東京農業大学地域環境科学部 中村幸人)





1. 今、世界で一番年とっている木は、いくつですか。なんの木で、どこにあるんですか。日本で一番年とっている木のこともおしえてください。(半沢洋子・小二)

世界では、カナディアンロッキーにあるジャイアントセコイアという木で、生れてから6000年といわれています。日本では、南にある屋久島(やくしま)という島にある縄文杉(じょうもんすぎ)です。生れてから2000年がたつといわれています。
(東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科 宮林茂幸)


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