君たちは、一人一人の顔や指紋が違うように、必ず君にしかない能力がある。なぜなら君たちは30数億年のあいだ一度も切られたことのない永い命の歴史に支えられているから。だからこの何ものにもかえがたい瞬間を自覚して欲しい

 自然を目で見、手で触れ、臭いを嗅ぎ、舐めて、触りながら、自分の身体を測定器にして観察して欲しい。豊かな感性を育てて欲しい。

 一度切れたら再びつなぐことも生き返らせることもできない生命の細い糸を未来につなぐために、今何ができるか。

 一人一人が、自分のいのち、愛する人のいのち、かけがえのない遺伝子の細い絆をまもるために、木を植え本物の森をつくる。まず植える。植ながら議論しよう。そしていのちを育てていこう。

 木を植えることは、私たちのこころに生命の火をともすことでもある。人類と地球上のすべての生き物の未来を保障することである。未来に希望をもって、自信をもって進んで行こうではないか。

 希望の明日を拓くのは他人まかせではいけない。最初は一本の苗木でもよい。一滴の滴が小川となり、川となり、大海となるように、いのちの森が地球全体を覆うはずである。

 時間とともに素晴らしく発展する、命の森のドラマの幕を開けるチャンスである。主役は、そして舞台監督は君たちだ。

 苦しくても、少し我慢しても、足下から頑張り、考え、そして今すぐいのちの森づくりを実行しよう。