ライム Lime
Tilia species


特徴
シナノキ科の木本で、15mから40m程に生長する落葉の高木です。春と共に芽がふくらんできて、やがてしわしわの若草色の葉があらわれ、4月も半ばとなるとすっかり開いた有柄で周りが鋸歯状のハート型の葉となります。夏咲く黄色みを帯びた小さな花は蜜のような芳香があり花柄に苞葉があるのが特徴です。花の後には小さな果実ができます。シナノキ属は交配しやすいために、いくつかある品種の同定が難しいといわれます。

分布と名前
原産地はヨーロッパです。温暖な森林地帯や石灰岩の場所に自生します。街路樹として好まれよく使われていますし、ながくいき続けて樹齢1000年を越えるものもあります。Limeはドイツ語のLimdに由来します。別名LindenとかBasswoodともいいます。フランスではティユル、スペインではティリア、イタリアではティリオといいます。和名はセイヨウボダイジュです。

歴史と伝承

ライムにはいくつかの種類がありますがいずれもその材の軽量さと薄い色合いが好まれると同時に彫刻がしやすい木の一つとして好まれ、木炭も作られます。内皮の麻のような繊維の部分は紐の材料になりました。

また民間薬として花のティーは食後に飲まれる健康茶としての人気を保っています


薬効

鎮痙、鎮痛作用があり、利尿、発汗、利胆、去痰作用のあるものとして、花と苞葉と樹皮が乾燥され、葉は生のままでティーとして飲まれます。花のティーは発熱の時や頭痛や精神不安定の時に効くといわれます。膀胱炎など泌尿器の感染症にも良いといわれます


栽培

日当たりよく水捌けの良い多少湿った中性からアルカリ性の場所を好みますが、元気で丈夫な木のために、スクスクと育ちます。耐寒性です。繁殖は種蒔きと挿し木取り木です。


楽しみ方

庭に植えたり、大鉢に植えてその成長ぶりを楽しんで下さい。芽が出てくる様子、葉が風にそよぐ様子、黄葉してやがて散る様子、四季を敏感に感じるその様は感動的です。大きくなりすぎて困る場合はそれなりに剪定して下さい。

ライムの花は開き立てのものを摘み乾燥して使用します。花が咲き何日もすると麻酔性のある成分が出来てきて中毒をおこすといわれますので、その点要注意です。


我が家のライムはK氏より
いただいたフランス産のもの。

次に述べますような種類があり、市販されているティーはそれらなどの花を集めて作られます。

※コモン・ライム T.× europaea  異名T.× vulgaris

※スモール・リーブド・ライム T.cordata  
  葉が小さくて表面が暗緑色、裏は白っぽい緑色。

※バスウッド・ツリー T.americana  
  このティーは大量に飲むと吐き気など体に悪影響を与えるといわれる。

※ラージ・リーブド・ライム T.platyphyllos 
  葉の表にも裏にも毛がある。

参考文献
■『ハーブ大百科』 デニ・バウン著 1997年 誠文堂新光社
■『ハーブの写真図鑑』 レスリー・ブレムネス著 1995年 日本ヴォーグ社
■『原色百科世界の薬用植物』 マルカム・スチュアート著 1988年 エンタプライ ズ社

写真・文

桐原春子(ハーブ研究家)

桐原春子オリジナルホームページ
http://www.geocities.jp/haru87herb/

桐原春子さんのビデオはPLANT A TREE〜SHOPPINGでお買い求めいただくことができます。

1.セージ 2.ラヴェンダー 3.ミント 4.センティッド・ゼラニウム
5.ローズマリー 6.アカンサス 7.ハウスリーク 8.コモン・タイム
9.アポセカリズ・ローズ 10.ボリジ 11.ライム 12.ジャパニーズ
ハニーサックル
13.コーンフラワー 14.レモングラス 15.ホップ 16.マートル
17.カルダモン 18.ナスタチウム 19.キャロブ 20.スイート・バジル
21.セイクリッド・ボー・ツリー 22.デージー 23.アロエ・ヴェラ 24.チャーヴィル
25.カレー・リーフ 26.イランイラン 27.アガヴェ 28.サントリナ