コーンフラワー Cornflower
Centaurea cyanus


特徴
キク科ケンタウレア(ヤグルマギク)属の植物で20〜90cm程に成長する耐寒性の1年草です。柔毛に覆われたグレーングレーの葉は線状の披針形になっていて、主茎は直立し腋枝をだして茂みの状態になります。細い茎に花茎が伸び、4〜5月になると直径4cm程の青い花がたくさん咲きます。花の中心部は小さな管状花でまわりは管状花の発達したものです。花色は改良種としてピンクや白、濃い紫、鮮やかなピンクの他に八重咲きもあります。丈が短く花がいっぱいつくものもあります。


分布と名前
ヨーロッパや西アジアなど温帯地方北部の荒れ地に自生しています。種が輸入小麦などに混じって世界にひろがったものとされます。
学名のCentaureaは半人半馬の伝説上の名騎手ケンタウロスがヘラクレスに放たれた毒矢により傷ついた、仲間のChironの傷をこのケンタウレア属の植物を使って直したという伝説から名付けられています。


青い花色が美しいコーンフラワー


種名のcyanusは藍色のという意味でこの花の色をあらわしています。

コーンは小麦を意味し小麦畑で咲く花としてこの名前が付けられました。

別名はBluebottleで、蕾の形が壺に似ていることによります。
またhurt-sickle の別名は収穫の時に使われた片手で持って使う三日月形の鎌の刃先を傷つけるものの意味で、鎌の切れを鈍らせるものとして農家の人々に嫌われました。和名はヤグルマギク(矢車菊)です。


歴史と伝承
ギリシャの収穫の女神ケレスの髪に飾られた花がこの花です。
『太陽の苑』1629年・パーキンソンによると「旺盛に生え広がり、小麦畑の悩みのたねに…』と述べられています。
ドイツの国花としてしられています。


薬効と楽しみ方
花に収斂性があり、消炎作用があります。せきや気管支炎や肝臓病によいといわれます。また目の病気(角膜潰瘍)にも使われます。マウスウォッシュにして口内炎に使用されます。

フランスの薬草療法家のモーリス・メッセゲ氏はその著書の中で「1リットルのお湯につき、陰干しした花一にぎり半をいれて作り、ここに足を一日に二度浸す」と浮腫に効果のある足浴用と全身浴用の作り方を述べています。

美しい花をフレッシュやドライで楽しみましょう。花が美しいうちに花弁を摘み取り乾燥しますと、美しい青色に仕上がります。ポプリの材料になります。摘みたてのフレッシュな花をサラダなどに少々ふりかけてたべることができます。

育て方
日当たり良い水はけの良い場所を好み、寒さには強いハーブです。一般的には9月の下旬に種蒔きをすると翌年に花が咲きます。園芸家の浅山英一氏によりますと、暖地での切り花栽培の場合は8月中旬にじかまきをして、込み合ったところを間引き、そのまま年末から1〜2月にかけて切り花とするとのこと。また8月上旬にまいて晩秋に花を咲かせる方法も著書で述べられています。


参考文献
■『ハーブ大百科』 デニ・バウン著 1997年 誠文堂新光社
■『英米文学植物民俗誌』 加藤憲市著 1976年 冨山房
■『ハーブの写真図鑑』 レスリー・ブレムネス著 1995年 日本ヴォーグ社
■『原色百科世界の薬用植物』 マルカム・スチュアート著 1988年 エンタプライズ社
■『メッセゲ氏の薬草療法』 モーリス・メッセゲ著 1980年 自然の友社
■『園芸植物図譜』 浅山英一著 1986年

写真・文

桐原春子(ハーブ研究家)

桐原春子オリジナルホームページ
http://www.geocities.jp/haru87herb/

桐原春子さんのビデオはPLANT A TREE〜SHOPPINGでお買い求めいただくことができます。

1.セージ 2.ラヴェンダー 3.ミント 4.センティッド・ゼラニウム
5.ローズマリー 6.アカンサス 7.ハウスリーク 8.コモン・タイム
9.アポセカリズ・ローズ 10.ボリジ 11.ライム 12.ジャパニーズ
ハニーサックル
13.コーンフラワー 14.レモングラス 15.ホップ 16.マートル
17.カルダモン 18.ナスタチウム 19.キャロブ 20.スイート・バジル
21.セイクリッド・ボー・ツリー 22.デージー 23.アロエ・ヴェラ 24.チャーヴィル
25.カレー・リーフ 26.イランイラン 27.アガヴェ 28.サントリナ