マートル Myrtle
Myrtus communis


名前と特徴
フトモモ科の常緑樹です。学名のMyrtusの語源には諸説あり、燻蒸すると良い香りを漂わせるもつ薬(myrrh)よりの説、Perfumeを表すギリシア語よりの説、知恵と技芸の女神ミネルヴァが愛したMyrsineに由来するという説もあります。communisは普通という意味です。和名はギンバイカ(銀梅花)ですが、近ごろ祝いの木というプレートがついて店頭に並べられていることもありますがそれはこのハーブの小枝がかつてイギリスで結婚式のリースに使われたり、マートルの花が咲くとよいことがあるといわれたからでしょう。


マートルは2〜3メートル程に生長しますが、場所によっては5メートル程に生長するものもあります。枝は2年目に木質になりベージュ色になりますが、木の幹は太くなってくると自然に皮がむけてきます。小枝がたくさんでていますが、剪定すると尚のこと密集しますのでスタンダード仕立てのトピアリーを作る素材に便利です。葉はツヤツヤとしたとがった形で対生し葉柄は短いです。花は初夏の頃、雄しべがなん本も突き出ている白に近いクリーム色の花が咲きます。花の後には実がなりますが、晩秋には青黒くなり、ヒヨドリがついばみにきます。写真は1月9日の写真ですが、このように枝によってはつぼみが付いたまま年を越すものもあります。

マートルは普通の種類の他に矮性のものがあり、それぞれに斑入りのものがあります。



ツボミをつけたまま冬を迎えたマートル。
主の花は初夏に咲き、後に晩秋まで花をつける枝もある

木全体に良く茂っている。枝先は霜で色が変わっている冬の状態

原産地と栽培
地中海地方、西アジアの原産です。日当たり良いそして水はけの良い場所が大好きです。この木は造園植物としてよく使われるため、庭や公園などで見ることが出来ます。

薬効と楽しみ方
成分には精油、樹脂、クエン酸、タンニン酸、リンゴ酸、ビタミンCなどが含まれます。葉には収斂作用や消毒作用があるため、尿路感染症や婦人病などに使用されます。外用には傷のパップ剤としてや、内痔核や歯周病などにも使われます。

料理として使うことに私たちは馴染みがありませんが、例えばロースト・ポークを作る時出来上がるおよそ10分前に小枝を敷きます。するとマートルの香りが強すぎず肉の方につくのです。なお実は中東の方はひいて使うのだそうです。実際にすりつぶしてみますと、まろやかな穏やかな香りです。

マートルは葉の色が明るい緑色でとても美しいので、私はよく花束の材料やリースなどのクラフトなどにも使います。

育て方
日当たりと水はけの良い肥沃な場所を好みます。5度Cは維持出来る場所が良いといわれますが私の庭(松戸)ではとても元気に育っています。ちなみに松戸はマイナス6度Cになることが数回ある場所です。

繁殖は挿し木が一番です。水を切らさなければ枝が少し太くなっていても根がでることが多く、楽しいものです。庭植えにするととても元気に伸び伸びと茂ります。しかしそれが目的の場合は良いのですが、下の草花に日が当たらなくなったりで困ることもあります。私はマートルを大切に育てていますが、あまりに茂り過ぎますので、スタンダード仕立てにしました。下の小枝ははらい、上部は全体に丸くなるように剪定しました。

また講演会の時とかハーブ教室の受講生のために小枝を剪定してプレゼント用に持って行きますので、全体は良い具合に密に茂っています。

参考文献
■『ハーブ大百科』 デニ・バウン著 1997年 誠文堂新光社
■『原色牧野和漢薬草大圖鑑』 1988年 北隆館
■『桐原春子のエンジョイ・ハーブ』 2001年 誠文堂新光社

写真・文

桐原春子(ハーブ研究家)

桐原春子オリジナルホームページ
http://www.geocities.jp/haru87herb/

桐原春子さんのビデオはPLANT A TREE〜SHOPPINGでお買い求めいただくことができます。

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