キャロブ Carob
Ceratonia siliqua


名前
マメ科イナゴマメ属の木本です。属名のCeratoniaはギリシア語のKeras「角」の意味で、花の後に大きな莢ができて、中には豆が詰まっています。種小名のsiliquaはマメ科植物の莢をあらわし、「長角果」の意味があります。和名はイナゴマメです。





特徴
10m程に生長し幹は直径30cm程になります。(我が家のものは種から育てて10年を過ぎていますが、1m50cm伸びた後は匍匐性のように、枝が脇へ伸びています)、常緑の葉は光沢があり皮質で丸い葉が対生します。 秋になると前年の枝に緑褐色の総状花序の小さな花が咲き、雄花は臭気を漂わせます。その後莢ができ中には10個程の豆があります。莢は幅が3〜5cmで長さが15〜20cmでひらったくて細長くて熟すと焦げ茶色になり、4〜5月に木に吊る下がります。 寒さについてはマイナスにならない方が良いのですが、マイナス5〜6度くらいが数日位だったら耐えられます。



左手前の青い花はカルフォリニアン・ライラック。 その上がキャロブでその又上部が月桂樹。

キャロブは若い葉と芽と茎が茶色。葉はやがて緑色に変わる。枝はさし木もでき る。


原産地と栽培と歴史
地中海沿岸地方原産です。キャロブの莢の中の果肉は甘いために砂糖菓子が作られます。また豆もすりつぶしてコーヒーとして使うこともあります。莢は家畜の飼料になりますのでそれらのために地中海沿岸地方で沢山栽培されています。キャロブは聖書にも次のように登場します。

彼は豚の食べるいなご豆で腹を満たしたい程であったが、だれひとり彼にあたえようとはしなかった。(ルカの福音書15章16節)

又マタイの福音書3章4節では聖ヨハネがイナゴを食べたことになっていますが、これはイナゴではなくてイナゴマメであるという研究者が多いとのことです。キャロブの種子は大きさが一定していることもあり、昔は重さの基準として使われ、カラットという単位が定着しました。

日本では観賞用として温室栽培されていますが地味な雰囲気のせいか、一般には出回りません。


薬効と楽しみ方
莢が熟してくると粘り気がありよい香りがする甘い果肉ができます。それを使ってカフェインの入らない食べ物にチョコレートの香りをつけたり、果肉のみ又は莢とともに粉末にしてあめを作る原料になります。莢は聖書の時代から豚牛馬の飼料でもあります。この莢には蛋白質とヴィタミンなどが含まれます。他には莢の汁液を発酵させてお酒を作ったりします。

アフリカにはキャロブやソラマメを使い作られた味噌のような発酵ペース食品があるそうです。樹液は下痢の時に使ったり,皮膚を柔らかくするためにパックに使用します。



育て方
日当たり水はけ共に良く、保水性もある場所が好きです。耐寒性はあるといわれますが、できたらマイナスの場所は避けたいです。ある程度育ってきたら地植えにするといっきに生長を始め、数日のマイナス5〜6度には耐えられます。

それ以下ですと葉先が痛みます。苗はみかけませんが、私は知人から種をいただき蒔いたところ、1本だけ育ちそれが春とともに新芽を伸ばして元気に育っています。種からですと花が咲くまでには30年はかかるそうですので、まだまだ我が家のものは無理ですね。秋には根元に腐葉土や完熟堆肥をマルチングし、もみ殻燻炭をすき込み、寒肥は3月の頃に周りにすき込みます。

繁殖は実生とさし木によります。

参考文献
■『ハーブの写真図鑑』 レスリー・ブレムネス著 1995年 日本ヴォーグ社
■『原色牧野和漢薬草大圖鑑』 1988年 北隆館
■『聖書の植物』 H&A・モンデルゲ著 1981年 八坂書房

写真・文

桐原春子(ハーブ研究家)

桐原春子オリジナルホームページ
http://www.geocities.jp/haru87herb/

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1.セージ 2.ラヴェンダー 3.ミント 4.センティッド・ゼラニウム
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