スイート・バジル Sweet basil
Ocimum basilicum
桐原春子さんのご自宅で撮影した映像です。
名前
シソ科メボウキ属の一年草です。属名の
Ocimum
は『植物誌』を著し、“植物学の父”と呼ばれたテオフラストス(BC373頃〜BC287頃)が、バジルに用いたOcimonに由来し、強く良い香りがするという意味です。英名のバジルはギリシァ語の『王者のハーブ』を意味するバシリコン・プトンの略語です。和名はメボウキ(目箒)です。これはバジルの種子を水に漬けるとゼリー状のものが表面にできて、それを使って目の中を拭ったりしたために付けられた名前です。
特徴
前項で一年草と記しましたが、原産地では多年草となります。この属は150種程あり、中でもこのスイート・バジルがよく使われています。50cm程に生長し、直立した茎が枝分かれしてたくさん出ます。
柄のある葉は卵形で全縁あるいは少し鋸歯のあるものもあり対生し,黄緑がかった緑色でつやつやしています。夏になると白い花が輪生し青シソのような総状花序となります。全草指でつぶすと強烈な香りがあります。寒さには大変弱く、たった一度の霜で全滅です。
鉢植えを上から見る
右の写真の左上は
摘心した小枝
楽しい寄せ植え
上がイタリアン・パセリ
下左スイート・バジル
右ブッシュ・バジル
原産地と栽培と歴史
アジア南部、中東、イラン原産です。現在は世界のいたる所で栽培されていますが、原産地からヨーロッパにはアレキサンダー大王(BC356〜323年・ギリシアを支配しシリア、エジプト、ペルシアを征服、インドにも攻め入る)が伝えたという説やもっと以前に伝わったという説もあります。
日本には江戸時代に中国より入り、イギリスは16世紀に。アメリカへは初期の移民により17世紀に渡りました。スイート・バジルは料理に使われるのみならず、精油が食品や香水や歯磨などの香り付けとして使われており、そのための商業的な栽培がアジア、南及び中央ヨーロッパ、北アフリカ、アメリカの亜熱帯地方などで行われています。
薬効と楽しみ方
独特な強い香りの主成分はエステラゴールで、他にリナロール、リナオール、オイゲノールなどの成分が含まれます。スイート・バジルの楽しみ方はなんといっても料理に使用することでしょう。生のまま食べることができますので使用するのも簡単です。
トマトとの相性が良いためにスライスしたトマトとスイート・バジルを器に入れて、上からドレッシングをかけたり、塩とコショウ、オリーヴ油をふりかけ混ぜ合わせて食べたりします。スイート・バジルは夏になるとつぼみがついてきますが花を咲かせると葉も堅くなりますので、常に摘んでしまいます。摘んだ小枝を料理に使用するというわけです。
バジル・ペーストもミキサーを使うと簡単です。作りたてのペーストは緑色も美しく美味しいものです。パスタに和えたりスープに入れたりご自由にお使い下さい。バジル、塩、オリーヴ油、ガーリック、パルメザンチーズ、松の実を使用しますが保存する時はバジルと塩とオリーヴ油のみで作り冷蔵庫で保管します。なるべく早めに使いきりましょう。
育て方
日当たり水はけ共に良く、保水性もある肥沃な場所を好みます。耐寒性はありませんので、苗を植えた後に霜が降りたりすることがないようにご注意下さい。
種子まきに必要な温度は20度Cから25度Cです。芽がでる時には光を必要としますので、土はうっすら程度にして下さい。近ごろは苗がどこにでも売られていますのでそれを買っても良いでしょう。鉢植えでももちろん大丈夫です。
土はあらかじめ肥料などがミックスされている、野菜用の土が便利です。本葉が10枚程度になったら主枝を摘芯して脇芽を伸ばしますが、収穫を兼ねた摘芯は株全体を丸くよく茂った状態にしてくれます。
2か月程して全体の様子を観察して肥料が足りないようだったら施肥します。水やりは庭植えでしたら自然のままで大丈夫ですが、鉢植えの場合は乾いたらたっぷりの繰り返しで、真夏にはコンクリート部分に直接置いたりしないように工夫して下さい。繁殖はさし木が簡単ですのでお試し下さい。
参考文献
■『桐原春子のエンジョイ・ハーブ』 2001年 誠文堂新光社
写真・文
桐原春子(ハーブ研究家)
桐原春子オリジナルホームページ
http://www.geocities.jp/haru87herb/
桐原春子さんのビデオは
PLANT A TREE〜SHOPPING
でお買い求めいただくことができます。
1.セージ
2.ラヴェンダー
3.ミント
4.センティッド・ゼラニウム
5.ローズマリー
6.アカンサス
7.ハウスリーク
8.コモン・タイム
9.アポセカリズ・ローズ
10.ボリジ
11.ライム
12.ジャパニーズ
ハニーサックル
13.コーンフラワー
14.レモングラス
15.ホップ
16.マートル
17.カルダモン
18.ナスタチウム
19.キャロブ
20.スイート・バジル
21.セイクリッド・ボー・ツリー
22.デージー
23.アロエ・ヴェラ
24.チャーヴィル
25.カレー・リーフ
26.イランイラン
27.アガヴェ
28.サントリナ