セイクリッド・ボー・ツリー Sacred Bo Tree
Ficus religiosa


名前
クワ科の常緑高木で、和名はボダイジュ(菩提樹)で、インドボダイジュという場合もあります。このハーブシリーズの11番目に紹介しているライム(セイヨウ・ボダイジュ)を菩提樹という人もいるために、まぎらわしいのですが、今回とりあげた、セイクリッド・ボー・ツリーが正しい菩提樹です。同じFicusの仲間でよく知られているのがイチジクです。イチジクの学名はFicus carica です。



特徴
高さが30メートルにもなる常緑の高木です。葉は心臓形で光沢があり、さわるとすべすべとした皮の感触です。葉柄は長く互生しています。同じFicusの仲間のイチジクによく似た果実が実ります。寒さには弱いため、冬季は室内で保護します。



鉢植えで管理の左より
ベンジャミン、ジャスミン、セイクリッド・ボー・ツリー

葉柄が長く互生し葉はつやつやとして心臓形。葉の先が細く伸びている。


原産地と栽培と歴史
熱帯から亜熱帯地方、東南アジアに産します。多湿を好みます。釈尊(釈迦牟尼ともいい仏教の開祖)が四苦である生老病死から脱するために29才の時に生まれ育ったインド・ヒマラヤ南麓にある、カピラ城をでて苦行を始め、ブッダガヤーの菩提樹の下で悟りを得たのは35才の時といわれています。

ヒンドゥー教と仏教では知識と悟りの象徴であり、聖木として大切にされています。今昔物語には「菩薩、菩提樹下にして思ひ給ふに」とのべられています。私はタイのプーケットとバンコクでこの木が町中や寺院の庭で、神聖視され赤い布が巻き付けられている状態を見ました。


薬効と楽しみ方
葉と若い枝は皮膚病に使われ、樹皮は収斂作用があるために足の裏の炎症に使用され樹皮の繊維で紙が作られます。樹液は陶器の修繕に使われたり、封ろうに使用されます。果実はイチジクと同じに緩下作用があります。釈迦牟尼(牟尼は聖者のこと)が悟りを得た場所にあった木として特別視されている木ですから、そんな意味からも鉢植えにして大切に育てるのも楽しいことです。


育て方
寒さに弱いために鉢植えで栽培します。霜が降りる前に室内の窓辺や温室に入れます。水は与えすぎないように注意。冬の間に葉が落ちてしまったり、元気がなくなったりと心配しますが、春に戸外(軒下)に出して肥料と水を十分に与えて管理しますと、真夏には見違える程に元気な状態になります。繁殖はさし木によります。私はこの木をずっと以前にハーブ教室の受講生にいただきました。初めは15cm程でしたが今は1メートルを越えました。

参考文献
■『広辞苑 第五版』 岩波書店
■『ハーブの写真図鑑』 レスリー・ブレムネス著 1995年 日本ヴォーグ社

写真・文

桐原春子(ハーブ研究家)

桐原春子オリジナルホームページ
http://www.geocities.jp/haru87herb/

桐原春子さんのビデオはPLANT A TREE〜SHOPPINGでお買い求めいただくことができます。

1.セージ 2.ラヴェンダー 3.ミント 4.センティッド・ゼラニウム
5.ローズマリー 6.アカンサス 7.ハウスリーク 8.コモン・タイム
9.アポセカリズ・ローズ 10.ボリジ 11.ライム 12.ジャパニーズ
ハニーサックル
13.コーンフラワー 14.レモングラス 15.ホップ 16.マートル
17.カルダモン 18.ナスタチウム 19.キャロブ 20.スイート・バジル
21.セイクリッド・ボー・ツリー 22.デージー 23.アロエ・ヴェラ 24.チャーヴィル
25.カレー・リーフ 26.イランイラン 27.アガヴェ 28.サントリナ