「富士山」逸話あれこれ

10. 浅間神社の役目とは?                                               

 

  前項で、富士山の8合目以上は浅間大社の境内と書いたが、ここでは浅間神社の歴史について見てみよう。

 864(貞観6)年、貞観の大噴火が起こった。火口から噴出した溶岩は、本栖湖とせの湖(うみ)を埋め尽くしたという。さらに溶岩の熱により起きた火災で、河口湖周辺の村落はすべて焼き尽くされてしまった。この時に流出した溶岩は青木ヶ原溶岩流と言われ、現在の青木ヶ原樹海を形成している。

 貞観の大噴火は激しい揺れと轟音を伴い、人々を恐怖のどん底に陥れた。当時の朝廷は「これは祭礼の怠慢のため神明がたたりを発したのだ」と警告を発し、すぐさま神の怒りを鎮めるための神社を建設するように命じた。それが浅間神社なのである。その後、静岡県、山梨県を始め、神奈川県、東京都、千葉県に相次いで建てられた浅間神社は、富士山を取り囲むように、放射状に配置されている。これは、富士山の霊力を封じ込めるためと言われている。

 ところで、この「浅間」とはどういう意味なのだろうか。はっきりした語源はわからないものの、

1.アイヌ語で「火を噴く燃える岩」を意味するから

2.九州の阿蘇山も「あそやま」であり、もとは「アサマ」だったから

 などの説があるようだ。

 いつ噴火が起きてもおかしくない富士山だが、浅間神社の力で、今後の噴火も鎮めてもらいたいものである。

(株式会社彩図社「富士山」99の謎より)

 

 

 

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