「富士山」逸話あれこれ

15. 全国各地にある「富士見」では本当に富士山が見えるのか                                               

 

 埼玉県南部にある「富士見市」をはじめ、「富士見町」「富士見村」「富士見台」「富士見坂」など、「富士見」とつく地名は数多い。行政地名だけで、全国に約170か所も「富士見」とつく地名はある。

 「富士見」は文字どおり、「富士山が見える」という意味だが、これらの「富士見」のつくところでは、本当に富士山が見えるのだろうか?

 まず、埼玉県の富士見市だが、ここは富士山から1000キロメートルほども離れているが、天気の良い日には障害物のないところから見渡せば、ちゃんと富士山が見えるという。

 もともと、昭和32年に三つの村が合併して新しい村ができたとき、富士山が見えることから「富士見村」と命名されたのだ(昭和47年に富士見市)。

 富士山は、さすがに日本最高峰だけあって、じゃまするものがなければ、かなり遠いところからでも見ることができる。関東平野の大半と、関東・中部地方の山々、遠くは近畿地方東部の山や志摩半島の海岸にも、富士山が見える場所はあるのだ。

 東京23区にも、練馬区富士見台をはじめ、「富士見」とつく地名はいくつかあるが、いずれも昔は富士山が見えていたのである。

 しかし、全国の「富士見」のつく地名には、どう考えても富士山が見えるとは思えないところもある。

 そういうところの地名は、本物の富士山ではなく、地元の「××富士」と呼ばれる山が見えるところから、名づけられたものである。

  (河出書房新社「日本地図の楽しい読み方」より

 

 逸話22「東京に坂が多いのは富士山の賜物だった」を参照のこと。

 

 

 

 

 

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