「富士山」逸話あれこれ

19. 富士山が3776メートルって本当なの?

 

 富士山は日本一高い山で、その高さは3776メートルというのが世間の常識である。 地図にだってちゃんとそう書いてあるし、小学生の頃「みななろ!」などと語呂合わせで覚えた記憶がある人だって多いはずだ。

 ところが、富士山頂にのぼってみると、山頂の標石には、なんと「3775・6メートル」ときざまれているのである。かっては、「3776・3メートル」ときざまれていたはずなのに、どういうことなのか。富士山の高さが、いつの間にか変わってしまったのだろうか。

 しかし、そんな心配は無用。実は、この高さの違いは、地図の作成に必要な三角点の標石が痛んだために新しく作り直したとき、三角形の位置が違ってしまったために起きたことなのだ。

 つまり、標石の数字は変わっていても、富士山の高さは以前と変わらず同じというわけである。

 ちなみに、富士山の測量の歴史をたどってみると、現在の高さをはじき出すまでに、何度も変化をしている。まずは文化年間に伊能忠敬が平地からの三角測量ではじき出したのが3982メートル。

 その50年ほど後の1860年にイギリスのロビンソンが測量したときは4321メートル。

 1828年に二宮敬作が測量したのは3794・5メートルで、1873年にフランス人レピシェーが測量したときは3518メートル。

 さらに1880年に東大教授のメンデンホールと学生らが山頂で実測し、やっと実数に近い3778メートルという数字が登場する。

 現在の3776・3メートルという数字に落ち着いたのは、その後、陸軍参謀本部によって正式決定されたときである。

 さらに、富士山の高さが実際にこの先変化することはないのかというと、一番高い剣が峰はこの先大沢がくずれても無事だろうとの予測がある。富士山の高さは維持されるというわけで、なんとなくホッ!  

  (河出書房新社「日本地図の楽しい読み方」より

 

 

 

自由に検索 → 
「リンク(参照先)など」

「出版社名」 「書名」
します。



富士山逸話あれこれを