| 33. 場所によって天気が異なる利尻島の不思議 |
海の上に富士山のような形の山が突き出している・・・・・北海道北部の利尻島(りしりとう)はそんな島だ。直径一九キロ、周囲六〇キロの島全体が、利尻富士という別名をもつ利尻山でできているのである。
利尻山は、コニーデ火山と呼ばれるタイプの火山で、頂上は標高一七一八・七メートル。火山から噴出した溶岩流や堆積物などが四方に積み重なって誕生したため、円錐形をしている。島そのものが円形に近い形なのも、島の成り立ちによるものである。
しかし、火山といっても有史以来活動の記録はなく、長い休止期間中に侵食が進み、火口の跡も残っていない。夏になると、山頂付近にリシリヒナゲシをはじめ、この島固有のさまざまな高山植物が咲き乱れる。
この山に最初に登ったのは、一七九二(寛政四)年に宗谷・利尻調査を行なった最上徳内(もがみとくない)と記録されており、樺太探検で知られる間宮林蔵(まみやりんぞう)も登ったことがあるという。
利尻山は海上に突き出た孤峰のため、面白い現象が見られる。利尻島は島なので年平均五メートル以上と風が強い。しかし利尻山がその風を遮るため、強い風が吹いているところと、ほとんど風が吹かないところがくっきり分かれるのだ。
しかも、利尻山は風だけでなく雪雲も遮るから、風上(かざかみ)は吹雪なのに山の反対側は快晴などということもある。島民でなければ、こうした気象の激しい差異に面食らうことになる。
また、利尻島は、日本最北端に近いところかに位置しているが、意外と過ごしやすいことでも知られる。暑い八月でも摂氏三〇度を越えることはめったになく、いちばん冷え込む一~二月でも、氷点下一〇度より下がる日は数えるほどしかない。
これは海流の影響によるもの。島の周囲を、寒流と暖流の両方が流れているので、夏に涼しく、冬は暖かいのである。
(廣済堂出版刊「日本地図の謎 おもしろ島々地図」より)
