「富士山」逸話あれこれ

5. 将来、カラフルな富士山が見られる!?                                               

 

 近年、真冬でも富士山頂には雪が少ない。地球温暖化の影響と思われるが、この影響、山頂だけでなく裾野にまで及びそうなのだ。なんと、岩だらけの山が、全体を緑色にする日も近いというのである。

 富士山の森林は今も、頂上を目指してその生息範囲を広げている。この最前線を「森林限界」という。富士山の森林限界の高度は、気象条件などの違いから一定ではないものの、上空から見ると火口を中心として、周囲に波打つように境界線を描いている。すでに高度2400メートルほどのところまでカラマツが迫り、そこからは、3200メートル付近まで、高さ50センチメートルにもなるオンタデが、黄色い花を咲かせているのだ。

 標高2300メートルから2500メートルあたりと考えられている現在の森林限界は、数年で数百メートル高くなると予想されている。先頭を行くオンタデなどの植物は、すでに3000メートルを突破しているから、2020年頃には全体的に3300メートル付近まで迫るかもしれない。

 今世紀の終わりまでに、頂上から裾野まで、緑の富士の姿を見ることができるかもしれない。そこに黄色い花がいっせいに咲けば、黄色い富士山が見られる季節も出てくるだろう。

 冬は白、春は黄、夏は緑、秋は赤といったカラフルな富士山が見られる日も、そう遠くはないのかもしれない。

(株式会社彩図社「富士山」99の謎より)

 

 

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