「富士山」逸話あれこれ

8. 一富士、二鷹、三なすびには続きがあった!                                               

 

 初夢に見ると縁起がいいといわれる、「一富士、二鷹、三なすび」はあまりにも有名だ。だが、なぜこの組み合わせなのだろうか。

 これには、

  駿河の国で高いものベスト3 説

富士山、愛鷹山、そして茄子の値段。今でこそ茄子も1年中食べられるが、もともとは夏が旬の野菜。江戸時代には、冬に夏の食べ物である茄子を手に入れるのは至難の業だったのだ。

  徳川家康が好んでいたものベスト3 説

富士山、鷹狩り、そして贅沢品である冬の茄子。いずれも徳川家康が好んでいたものと言われている。

 など、いろいろな説があるが、どうやら徳川家康と深くかかわる言葉のようだ。

 ちなみに、この「一富士、二鷹、三茄子」には、まだ続きがあることをご存知だろうか。

 「一富士、二鷹、三茄子」の後には、「四扇、五多波姑(たばこ) 六座頭」と続くのだ。

 四番目の「扇」は、正月のお祝いの舞で使用する。富士の絵などを施した「扇」を意味する。

 五番目の「多波姑」は、正月の芸者の者たちが吸う煙草である。江戸時代、煙草を吸う者は男女ともに非常に多かった。正月から煙草を吸えるというのは気持ちにゆとりのある証拠として、人々の憧れであったのだろう。

 六番目の「座頭」は、正月に座敷に呼ぶ弾き語りをする法師を意味する。正月早々、弾き語りの法師を呼べるほど贅沢なことはないということから初夢の縁起物とされていた。

 正月に富士を眺めながら、芸者を上げて茄子をつつき、酒や煙草を飲んで法師の歌に合わせて扇の舞を楽しむ宴こそ、最高の贅沢だったのである。

(株式会社彩図社「富士山」99の謎より)

 

 

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