できること、好きなことをやるのが秘訣
右近三省さん

65歳、品川区在住。
工業用製品製造卸会社の相談役などを務める

一日約100万人が乗降する東京品川駅で、主に外国人の旅行者や体の不自由な人にボランティアをしている。活動は月、水、金曜日の午前10時頃から約4時間。年末年始も欠かさない。もともと困っている人には声をかけてきた。
「できること、好きなことをやるのが秘訣。」

きっかけは2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロだった。
現地にいる息子さんに「何かできることはないか」とたずねると「救助のプロフェッショナルでないオヤジは日本で困っている外国の人を助けてあげて」と言われた。そこで思いついたのが駅でのボランティア。
2001年11月から始めた。一日に外国人約25人から30人、日本人だと20人ほどの手助けをする。

実際自分でやってみると声をかけた人からいろいろなことを学ぶことが多い。
やっているうちに人手が足りないことを痛感する。「自分が誰かの相手をしているときに目の不自由な人とすれ違ったりすると、その人を案内してあげられないから辛い。」

そんな右近さんもたばこのポイ捨てには閉口する。禁煙エリアで喫煙している人に対して注意をするほか、港区役所から支給された携帯用灰皿を渡す。落ちていれば拾う。当初は「何故他人の吸い殻を拾わなくてはならないのか」と思うこともあったそうだ。無視をする人にはお願いをする。
見て見ぬふりをする人が多い世の中、希有な人だ。

2003年秋、品川駅に新幹線が停車するようになる。一日辺り平均5万人程利用客が増える見込みだ。英語ができ、かつ他の言語も出来る人を募って特定非営利活動法人(NPO)を今秋にも立ち上げる予定だ。「昔、赤帽さんといって駅で荷物を持ってくれる人がいたんだよ。そういう活動の提案を駅にお願い
している。」「将来的にはニューヨークやドイツの駅など、外国ともネットワークを持ちたいね。」
70歳までに基盤を作りたいという顔は輝いていた。