--- 言葉の芽 Vol.5 --- 『 自信の芽』
 自信はどっからやってくるのだろう。
 自信を持って生きている人に出会うと、うらやましてくしかたがない。自分も、あの人のように自信を持ちたい。自信を持てる方法があれば、ぜひ教えてほしい。
 そこで、サンタ・クロスケという、自信を持っている人に聞いてみた。
 その人が言うには、まず、自分が弱い人間であると認めること。認めたら、その自分の弱い部分が、なぜ弱いままなのか、原因を見つける。見つけたら、何を補わなければならないのかを拾い出す。拾い出したら、例えば十個あったとする。その十個を自分がすぐできる順に、一、二、三・・・・・・、と番号をつける。
 普通なら、ここで一から十まで番号をふって、すぐ一から十までやってみる、という。だが、ここでやらせてみても、自信は持てていないのだから、できるはずがない。
 そこでどうするかであるが、まず番号をつけた一から十までを、二回以上読んでみる。
 読む回数は多ければ多いほどいい。暗記するぐらい読んでしまったら、最も良い。
 読んだら、さあ、ここで一番大事な要(かなめ)をむかえる。
 何をするかというと、“自(みずか)らが自(みずか)らに問う”ことをする。何を問うかというと、
 「この一から十までが、たとえどんなに辛くなっても、自分の弱さを克服するまでは、決してやめないと誓えますか?」と問う。
 NOと応えた人は、自信の前に好きな事をみつけよう。
 このとき、YESと応えた人は、まず一から十までで、どこまでが、つまづかずにいけるかを確認しがてらやってみる。
 六まではできたとして、七でちょっとつまづいた。つまづいたけど、ちょっとやってたらクリアーした。次の八は十回ぐらいしてやっとクリアーした。九は三十回で、十は五十回目でようやくクリアーした。
 一から十までを、全部クリアーしたら、今度は、通して一から十までできるかやってみる。一から十まで通してできるまでに一週間かかった。次に一週間から三日でできるように。三日から一日で。一日から一時間。一時間から半時間。半時間が今では一分。
 この時点で「これに関しては、ぼくに一分くだされば、やってのけましょう」と、自信をもっていえるはず。

 自信とは、自(みずか)らを信じられるもの、と書く。
 つまり、自信は、どっかからやってくるわけじゃない。もっというなら、
 自信はもつかもたないかでもない。
 自信があるかないかでもない。
 自信が生まれるか生まれないかでもない。
 まして、
 自信は得るか得ないでもない。
 じゃあ自信は何か。

 自信とは、くりかえし、くりかえし行うことによって、自(みずか)ら信じられる気持ちが、わくかわかないかを言うのである。
 さらに、わいた人が、自分の弱点を克服するために、くりかえし、くりかえし行ったとき、自らも自覚できる。自信に満ちることができる。人がみれば、自信に満ち、あふれているようにうつるにちがいない。
 訓えを説くなら、くりかえしこそ、自信の泉なり。
 ぼくもがんばって、くりかえすぞ!

 
  ブックドクター・あきひろ