--- 言葉の芽 Vol.14 「魅力の芽」
魅力の“魅”は、人をまどわす、人を惹きつけるという意がある
ここで思いあたるのが、宝塚。多くの女性ファンをとりこにする。その魅力は、役者の放つ容姿と声。 ファンの中には、母になって自分に娘ができ、その娘を宝塚に入門させてしまった人さえいる。
本来人間は、だれもが、だれかに魅力を放っているはずである。自分は気づいていない場合がとても 多いのだが……。
タレントや作家、陶芸家、画家、スポーツ選手など、第一線で活躍する人たちは、必ずその魅力を持っている。
ここで言う、第一線の人が持っている、魅力とは、ほぼ一色である。
しかし、子どもはちがう。無限な可能性を秘めている。
目に魅力がある子。一つのものに集中しているときに魅力がある子。とにかく元気、そのものに魅力が ある子。きりがない。
親なら、我が子だけの魅力に気がついていることだろう。
子ども同士でも、クラスの別の子の魅力を体が感じていて、うらやましく思ったり、惹かれたりしている。 ただ、うまく口で、相手のどこが、どう魅力的だ、と表現できないだけである。
そこで、その子の持つ魅力をどう見つけたり、のばしたりすればいいかが解らないと、 せっかくのその子の魅力が放たれなくなってしまう。では、どうするか。
昔の親は、親になるまでの間に、自分もその親にひきだしてもらっていたから、 親から子へ教わらなくても、親になるまでに知っていた。その知恵を参考にしてもらいたい。
まず、我が子が生まれて初めて体験することを良しとした。今は、親が体験もしていないのに、 それが危ないとか、みんなどこの親もさせていないから家(うち)もさせないでおこう、ということがなく、 とにかく何でもさせてみた。我が子が10コの体験をしてくる。すると、我が子が、 5つ目に体験したことを、何度でもまた体験しに出かけていっていることに気づく。
このとき、親はうちの子は、「あれが好きなんだぁ」と思っておけばいい。つまり、これを親として 目に留めておけることが、見つけた瞬間である。
次にどうのばすかであるが、それは簡単!!“そっと見守っている”だけでよい。
我が子が、どこで何をしているか気になるのは、見守っていないから。
見守るとは、我が子が今日一日体験したことを語ってくれた中から、そうかそこで遊んでいたのか、と、 くみとっておけばできること。
子の関係を作るだけで、我が子は、我が子しかない魅力を持ちはじめる。
親は、その魅力ある我が子が、魅力的な笑顔で語ってくれるのを、じっと聞いてあげればいい。
それだけで、我が子の人生は魅力的な人生を歩むにちがいない。






ブックドクター・あきひろ