道のすみっこに、ありの巣を発見。小さな土の粒を穴から出しては出入り口のまわりにおいていきます。よくはたらくなあ。あなのとなりに、‘よもぎ’も見つけました。「んっ、おだんごの草!」とうれしくなりましたが、犬のおしっこがかかっていると思うとね…つめませんでした。残念。
 そんなとき、友人のフミノさんから、「たつこさん(お義母さん)が、春になると草花だんご(よもぎだんご)を作るのよ」という話をきき、「私も仲間にいれてー」とたのんでみました。すると、たつ子さんが心よくどうぞ、と言ってくれたのです。バンザーイ!!
 4月20日、大磯のたつ子さんのお宅にうかがいました。自然がいっぱい。たらの芽やふきなどの山菜もあるし、たけのこも顔を出していました。八重桜も満開。なんでも、この辺りでは桜茶用に八重桜を生産してるそうです。
たつ子さんは、昔は外で傷をつくっても三種類の草を適当にすりつぶして傷口にぬって血を止めたと話してくれました。なんて、おおらか。
 昔はへびも多かったそうで、福松さん(フミノさんのお義父さん)は、子ども時代、マムシをつかまえては「へびや」に売りにいったんですって。「へびや」とは、今でいう漢方薬のお店。けっこういいおこづかいになったそうですよ。
 さて、おだんごですが、あいにくの雨だったので、たつ子さんは前もってよもぎをつんで、ゆでておいてくれました。

 では、たつ子流草花だんごの作り方です。

1. 上新粉をボウルにいれて熱湯を加えてまぜる。熱い、熱い。
2. 耳たぶぐらいにこねる。お湯の量は、目分量。カップ何杯じゃないのよ。
3. ちぎって、15分ほど蒸す。
4. よもぎは、めん棒でトントンたたき、ほうちょうでこまかくきざむ。
5. もちの上にのせて一緒に蒸す。


6.蒸しあがったら、ボウルにあけて、めん棒でトントン。


7.水をさしながら、よもぎともちをまぜる。


8.まるめて、できあがり!きなこではなく、ここではピーナッツ粉で食べるのがふつうなんですって。

 出来あがるまでに約1時間。たつ子さんがこの家にお嫁さんにきたときは、春の朝ごはんは、毎日この「草花だんご」だったとか。みんなが起きてくる前の、「朝飯前の一仕事」だったんですね。
 草花だんごをお皿にもって出したら、テーブルがたちまち、春の野原になりました。

 自然に感謝、春に感謝、そして、たつ子さんに感謝して、おなかいっぱいいただきました。ああ、おいしい。しあわせっ。