いつのまにか、風に涼しさをかんじられるようになりました。花屋さんの店先には、すすきがゆさゆさゆれています。秋ですね。

 そんな秋の夜、虫たちの声をききながら、花火を楽しみました。線香花火のささやかな花火会です。なんで線香花火かというと、理由は簡単。好きだから。子どものころ、細い1本のよった紙から、なんでこんなに表情のちがう炎がとびだしてくるのかとふしぎでたまりませんでした。でも、最近の線香花火は、なんか燃え方がちがうんだなあ…とさみしく思っていたところ、夏の終わりに、ぶらっと入ったお店で国産の手作り線香花火を発見。1パック12本800円!?ちょっと、高いなと思いつつ、2パック買ってしまいました。

花火は、江戸時代に戦いのために用意しておいた火薬をつかって、お祭りごとにうちあげているうちに、どんどんさかんになっていったそうです。江戸の夏は、両国川開きの花火からおとずれるといわれていたので、両国橋の下をながれる隅田川の花火は、今も有名なんですね。線香花火は江戸時代に売られるようになったんですって。原料は、和紙、硝石、硫黄、松煙。そして、火薬の量と和紙のより方で、火花の表情がちがってくるのだそうです。手作りの不ぞろいさは、一つ一つに職人の技が生きているということ。大切にしていきたいですね。

さて、雨のためにのびのびになっていた季節はずれの花火会。家族みんな集まって、はじまり、はじまり。柴犬まるは、花火よりやみ夜のネコが気になって、ワンワンほえるものだから、とちゅうで家の中に退場。
なんか、ワクワク。

シュシュシュ ムジュムジュムジュ
  パシパシパシパシパシパシ 
ムジュムジュ 
スーッスーッ 
ムジュ ポテッ。

火花の小さなつぶやきに耳をかたむけながら、細い和紙の先からくりひろげられる火花のおどりを心ゆくまで楽しみました。
たった15分ほどでしたが、しずかな秋の夜の花火会でした。