ひなたぼっこばなし 第18話 「 はとぽちゃん 」

2月は、一年の中で一番寒い季節です。うちは、南に向って大きな窓があります。外が冷えてくると家の中が暖かいので、一面真っ白に曇ります。ホワイトボードになるわけです。そこに、絵をかいたり、柴犬まるを抱っこして、前足の肉球はんこを押したりすると、けっこう楽しい!

その窓にそって、花台があります。ゼラニウムのプランターが置いてあるのですが、お日様もよくあたるし、花にはいい場所です。その花台には木製の柵があります。朝になると、そこにかならずくるきじばとがいます。「はとぽ」という名前をつけて、毎朝、えさをあげていたら、飛んでくるとまず柵の上にとまって、部屋の中をのぞいて、「はやく、ごはん!」とねだるようなそぶりを見せるようになりました。かわいい!

はとぽが初めてきたのは、1年前ぐらい。細い片足に針金がぐるぐるにまきついていました。羽根もぬけていたし、やせていたので、多分、生きていかれないだろうとみんなで話していました。お米をおいてあげると、おそるおそる近づいてきて、食べ始めました。

それから、時々くるようになりました。だんだん羽根もはえそろって、姿もきれいになってきました。でも、針金はそのまま片足にまきついたまま。とってあげられたらいいのですけど。はとぱは用心深いのでつかまえることなどできません。

ある日、うれしいことがありました。はとぽが他のはとをつれてきたのです。それはそれはりっぱなきじばとで、いっしょにえさを食べたあと、ひだまりでくっついて、毛づくろいをしていました。夫婦になったようです。よかったね、とみんなでほっとしました。そして、またまた、うれしいことがあったのです!片足にまきついていた針金がとれていたのです。足の指も2本とれていましたが、だいじょうぶ。ちゃんと歩いています。なんてたくましい。

はとぽは、ほぼ毎朝やってきます。時間は8時ぐらい。休みの日、私たちが寝坊したりすると、11時ごろにもやってきます。はと用のえさを買ってあげたのですが、お米のほうがすきなようです。

はとぽは、どこに住んでいるのでしょう。カラスにおそわれないように、いつまでも元気でいてほしいです。みなさんに、一つお願いがあります。もし、大人になって家をたてることがあったら、ぜひ、ベランダの柵は、木でつくってほしいと思います。鳥たちが、ちょっと一休みできるようにね。

「ごはん、はやく!」と部屋にいる私にねだっているはとぽ

雪の日もやってきました。ごはんのあと、二人で休んでいるところ。