ひなたぼっこばなし 第21話 「 たいした人たち 」

すいかぐらいの大きさのしゃぼん玉が、ふうわふわ。しゃぼん玉の表面にまわりのけしきがうつって、もようみたい。それを見て、女の子が「あ、地球だ!」ってさけびました。思わず、私も「ほんとだ」。そのとたん、パチンッ、地球はきえました。

私は週に2回、幼稚園であそびクラスを開いています。先週は大きなしゃぼん玉をとばしてあそびました。みんな、こうふんして、たらいに入ったしゃぼんえきが体にかかろうが、すべってころぼうがおかまいなし。しゃぼん玉みたいに、ひょこひょこはねながら、あそんでいました。

どろや、スライム、小麦粉ねんど…ねちょねちょぐちょぐちょ、べとべと、ふわふわ。あそびクラスでは、11年間、気持ちわるい感じ、いい感じをただただ遊びつづけています。少しむずかしくいうと、「五感をゆさぶる素材であそぶ」ということ。五感は、「さわる、味わう、かぐ、見る、聞く」。五感をくすぐると、ふしぎなことに、もくもく想像力がわいてきて、面白い言葉が、ぽっぽっと生まれます。さっきの、「地球!」みたいにね。これが、また、楽しいのです。

もう一つ、楽しいことがあります。それは、子どもたちからのおみやげ。世界に一つしかないすばらしいものばかりです。
@たすきがけのハート
折り紙のハートになぜか、たすきが・・。このハートがにげないようにかな。りゆうはききませんでした。
Aおまもり
野焼きをしたときにくれました。笑い顔が、いいでしょう。福がきそう。
Bお面
よーくみてください。顔があるでしょう。わかる?
おめんなんです。  
左のお面を、外で光にかざしました。
セロファンが陽の光にすけてきれい。外にかけておけるように、ちゃんとひっかけるところもついてます。
Cりなちゃんのきもち
フィルムケースを私にわたして「あげる」といってかけていってしまったりなちゃん。
中をあけたら、小さな石にハートが一つ、
かいてありました。
じ〜ん。こんなすごいプレゼント、今までもらったことがない…。

うまくいえないのですが、4.5年しか生きていない人たちが、こんなにすばらしいものを人におくることができるのです。そして、私たちが思いもよらないすてきな言葉をつぶやくのです。たいした人たちだと思います。

だから、私は何年あそびクラスをやっていても、みんなに会うときは、毎回きんちょうします。ドキドキ。ああ、また、あした、会うんだわ。