ひなたぼっこばなし 第25話 「 秋のこみちさんぽ 」

 10月になりました。空気がすんでいるからでしょうか、いつもつかう駅のホームから富士山が見える日がふえました。せっかくきれいに富士山が見えるのに、会社にいく人たちは、新聞を読んだり、けいたい電話でメールをうったりしています。私がのるときに、たまたまそういう人が多いのかもしれませんが、富士山に気がつかないなんて、もったいない。

 さて、きょうは、さわやかなとても気持ちのよい日だったので、のんびりと、まるちゃんと散歩をしました。いつもより少しまわり道をして、「季節の野草にあえる小径(こみち)」を歩きました。ここは、地域の人たちが世話をしている土の道です。以前は、暗くて、ほとんど通る人もいませんでしたが、いつからか、草がぬかれ、野草が植えられ、季節を感じながら歩ける道になりました。小径の歌を、近くの高校生たちが作って、地区会館でひろうしたり、石や枝をひろって創作したり、花を写生したり。いろんなイベントも開かれるようになりました。

 この道で人にあうと、自然にあいさつをしてしまうからふしぎです。小径は、地域の人たちの手と心でととのえられて、季節と風と「こんにちは」のあいさつがかよいあう、すてきな道だとおもいます。
 それでは、デジカメでとった秋の小径をしょうかいしましょう。

こみちの入り口。木片でつくった手作りの看板もあります。まるちゃん、いくよ!  まるも、土の道を歩けるのでうれしそう。イキイキ。でも、蚊がおおいよ〜。
ヨウシュヤマゴボウ。葉が紅葉しかけてます。だれか、むらさき色の実をつんだみたい。色水遊びをしたかな。この実はブドウジュースみたいで、秋のおままごとにはかかせません。 白と赤のミズヒキがあちこちにはえています。シンプルな草ですよね。
うめもどき。「実のなる木をうえました」って、ふだがかかってました。まだ若い木です。 女郎花は黄色い花で、男郎花は白い花。『小笹吹く風のほとりや男郎花』 (北原白秋)の句がそえられてました。オミナエシは秋の七草の一つ。白秋さんも見た花を、私もみているですね。あたりまえですけど。  
このごろ、すっかり見なかったジュズダマ発見!うれしー。でも、だれかが、すでに少し実をとったみたい。  ジュズダマ。こどものころ、ジュズダマを糸でつなげてくびかざりをつくったなあ。小径の野草は、こどものころの思い出をよびおこしてくれるすてきな道です。