ひなたぼっこばなし 第26話 「 これは、おかしいですぞ。 」

 そろそろ、七五三。三才の女の子の着物すがたはとてもかわいいです。おとなたちは写真をとりたいのですが、本人は着物がきゅうくつなのか、ぐずってなきはじめ、それを、またみんなであわててあやしています。そんなようすは、見ていてほほえましいかぎりです。七五三のお参りすがたや千歳あめをみると、11月なんだなとしみじみ思います。
つつじ
ツツジです。しょぼんとさいているようにみえます。

 ところが、散歩からもどった母が、「ちょっと、遊歩道にツツジがさいてたわよ」というので、さっそく、私も見に行きました。ほんとだ。ツツジだ。11月にさくツツジもあるのかもしれないと思って、図鑑でしらべたら、ツツジの花は4月から6月。あたたかいからさいちゃったのでしょうか。母が近くで植木しごとをしていた人に、「これは、ツツジでしょうか」ときいたら、「ツツジだよ。くるいざきだね」っていったそうです。そんなかんたんにすましてほしくないんですけど。

 知り合いにこのことをはなしたら、多摩にすんでいる人が、「ナシの花が11月にさいて、農家の人も首をかしげてるわ」ですって。ナシの花は4月。今、まさに実がおいしい季節だというのに。ヘン。

朝顔
見えるかな。木の上にムラサキ色のアサガオ。
見えるかな。

 まあ、どうしちゃったのかしらと思って、幼稚園のあそびクラス(私がたんとうしています)にいったら、庭のはしっこの木の上に、なんと!アサガオが元気にさいているじゃないの。先生にきいたら、「へいぞいに植えたら、どんどんのびていって、木のてっぺんでさいちゃったの。おひさまをめざしてのびていったのね」ですって。11月にアサガオ。ツツジ。梨の花。いったい、どうしちゃったのかしら。


 植物は、私たち人間が気づかない異常(いじょう)に、すなおに反応(はんのう)して、「これは、おかしいですぞ」って、おしえてくれているのかもしれません。みなさんも、まわりの自然を注意(ちゅうい)してみてみてください。そして、これはヘンだぞとおもったら、友だちや先生や家の人にしらせて、みんなで、かんがえてみてください。私も、そうしますから。