ひなたぼっこばなし 第28話 「 おまもりづくり 」

 みなさん。1月7日に七草がゆを食べましたか。七草がゆは、昔、中国で役人の位があがる1月7日に若菜入りのスープを食べて出世を願った風習がもとになっているそうです。
  七草は消化にもよく、ビタミンが豊富なので、お正月に食べすぎてつかれた胃にはぴったり。食べると長生きできるともいわれています。私は、もちろん、食べました。とてもおいしかったので、おかわりもしてしまいました。2倍長生きできるかしら。
「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(かぶ)、すずしろ(大 根)」どれがどれだか、わかる? 土なべでたきました。ゆげにのって、草のかおりが、ふわ〜ん。
  さて、今年はお正月からお守り作りをしました。息子が1月に3週間、フランスに行くことになったのです。初めての海外での仕事です。そこで、私が旅行安全のお守りを持たせたいと言ったら、夫が「作ればいいじゃない」と一言。そのとたん、ふっと、小さな息子たちが一生けんめいお守りを作っていた姿が、目にうかんだのです。今から20年ほど前、息子たちがまだ小学生だったころ、海外に仕事にいくお父さんのためにお守りを作ってわたしていたのを思い出しました。そうか。作ればいいんだ。

手作りのお守り
手作りのお守り。
字がまちがってたり、意味が通じなかったり。
でも、きもちはしっかり伝わってきます。
 息子たちが作ったお守りを、夫が出してきました。なにがかいてあるのかと思ったら・・。
「パパが、けがなく帰ってくるように、ぼくは2時間毎日勉強することにしたよ」(←これを書いたときは、ほんとうにそう思ったのだと思います)「カメラでねらっているえものが手にはいったらできるだけ早く帰ってきてね」(←ボルネオのジャングルにいったときのおまもり)「水、土、空気、葉、ピラニア、ナマズのどれかとパパをまってるね」(←アマゾンにいったとき。どうも、ピラニアのおみやげをたのんだようです)「交通安全ご守護。学業御守。北野天満宮交通安全守護。善光寺身体堅固・学業成就御守。千手観世音交通安全守護」(どうやら、家中のお守りを集めて書き写したようです)などなど。
 こんなかわいいお守りを作っていた息子は、今、親が作ったお守りをもってフランスにいます。どうか、無事に帰ってきますように。

 それにしても、お守りってなんなのでしょう。七草がゆを食べても食べなくても、健康は自分で気をつければいいことだけど、息子の安全は私にはどうにもできません。親は、子どもがいくつになっても心配なもの。結局、お守りは、自分自身の安心のために作っているような気がします。 なるべくお守りを作らないですむようなおだやかな一年になることを願いながら、今年も、ひなたぼっこばなしをよろしくお願いします。