ひなたぼっこばなし 第33話 「 こよりちゃん 」

まる
あついあつい。はあはあ。
和紙
和紙をきります。
こより作り
さあ、先生がよりはじめます。
こより作り
だいぶよれてきました。
こより完成
私のこよりちゃんは、どれでしょう。
たんざく
新聞広告のおかざりに、
いらないポスターのたんざく。
わが家のリサイクルささかざり。
 くもり空と雨の日とカンカン暑い日と、いろいろですね。体のちょうしをくずしやすい季節です。うちのまる(しば犬)も、暑い日は朝のさんぽからかえるとハアハア苦しそうなので、タオルを冷蔵庫でひやしておいて体にかけてあげます。かわいいでしょう。

 7月は七夕ですね。みなさんは、短冊にねがいごとをかきましたか。私はかきましたよ。いつもは短冊を糸でつるしますが、今年はなんとなく(あまり深い意味はなく)、こよりでつるしてみました。
 ところで、「こより」って知ってる?

 「こより」は「紙撚り」とかきます。細く切った和紙をよって糸やひものようにしたものです。この中に「松煙(しょうえん)」などの火薬をいれれば線香花火になります。
あのパシッパシッという松葉のような美しい火花は、和紙をほどよくかたくよることでうまれるそうです。それこそ、ずっと昔から日本にある技(わざ)。こよりは本をとじるのに使われたり、江戸時代には2人でこよりの両端をそれぞれ親指と小指(人指し指ではなく)にはさんでひっぱりっこして、引きぬけられた方が負けというジャンケン遊びもあったそうです。

そんな日本人の指先からうまれた「こより」をはたして、私は作れるかしら。先生は夫。いがいに器用なんです。まず和紙を、横に切ると弱くちぎれてしまうのでたてに切ります。はばは、てきとう。2センチぐらいに切りました。それを、はしから右手の親指、人指し指、中指を使い、よっていきます。左手の親指、人指し指、中指もぼーっとしてはいられません。右からくる「より」を左の紙の中にまきこんでいきます。右手組と左手組がこきゅうをあわせて、よっていきます。
 私は夫みたいにきれいにできず、まるでとうめい人間が、やけになって足にまきつけた包帯みたいになってしまいました。
 でも、この「こよりちゃん」、かっこ悪いけれどなかなかじょうぶで、おかざりをきっちり笹にむすんでもちぎれませんでした。

 あまりうまくはできないけれど、練習すればなんとかなるかも。ホッチキスでげんこう用紙をとめるのではなく、こよりでとじられるようになりたいです。日本人がむかしからつくって利用してきた、こより。ティッシュでもできますから、ぜひ、まわりの大人にきいてつくってみてください。

ちなみに、7月7日は梅雨にもかかわらず雨がふらなくてよかったです。昔のこよみ
(※)でいうと今年の七夕は8月19日。もう一度、こよりで短冊をつるそうかな。もちろん、ねがいごとを書いてね。

※日本には明治5年まで日本で使われていた太陰太陽暦(たいいんたいようれき)というこよみがあります。