ひなたぼっこばなし 第39話 「 がっかりな年明け 」

ミツバチ
2007年12月31日。
最後の日のラ・プルミエールのお店。
ミツバチの巣箱
洋ナシのケーキ。
しっとりして上品な味!
30日に食べました。
服
モカのケーキ。
チョコレートが何層にもなっていて、
我が家では人気ナンバー1。
31日に注文したケーキ。
おじさんからのプレゼントのケーキ。
かわいらしいフルーツケーキでした。
 
 新しい年が始まりました。「今年の恵方(えほう)はどっちだ?」ということになり、調べてみたら南南東。さっそく地図で家から南南東にある神社をさがしました。あった!「等々力不動尊(とどろきふどうそん)」。いざ、出発。

 元日の午後に行ったのですが、ものすごく長い行列に、「うわっ。どうしよう」。でも、せっかくきたのです。がんばって並んで、今年はどっさりお願いごとをしました。それがいけなかったのかな。おみくじをひいたら、凶!「今年病気になったら10に7か8は死ぬ」と書いてあった〜。こんなおそろしいこと、いったいだれが書いたの?  

 以前、お正月に父が浅草の浅草寺でおみくじをひいたら、「大凶」が出ました。ためしにもう一度ひいたら、また「大凶」。あまりに気分が悪いのでもう一度ひいたら、また「大凶」。そして、その年、父の母親(私のおばあちゃん)が亡くなりました。ぐうぜんだと思うけど、なんかいやですよね。ですから私も「凶」が出たとき、もう一度ひいてみようかと思ったけれどやめました。恵方なのに、がっかりです。  

 もう一つ、がっかりしたことがあります。私の町の「ラ・プルミエール」というケーキやさんが、突然12月31日に閉店してしまったのです。20年間、おじさん一人でケーキや焼き菓子を焼いていました。我が家では家族の誕生日はもちろん、入学式や卒業式などのお祝いやクリスマスには、いつもプルミエールのケーキが真ん中にありました。これからもずっとあるものと思っていたのに。  

 閉店の紙がはられたのは、クリスマスがおわってすぐでした。おじさんの健康上の理由だそうです。閉店までの短い間に、家族一人ひとりが、それぞれお店にいって、おじさんにお礼をいいました。そのたびに焼き菓子やケーキを買ってくるものだから、毎晩、ケーキでさびしいカウントダウンをすることになってしまいました。

 31日の最後の日、注文したケーキを息子がとりにいったとき、家族みんなが寄せ書きしたカードと花たばを渡しました。 すると、おじさんは、「ご家族みなさんにお世話なりました」といって、もう一つケーキをもたせてくれました。わざわざ私たちのためにつくってくれたのです。 大晦日、二つのケーキをゆっくり時間をかけて食べました。やっぱりおいしい!ラ・プルミエールさん。また会える日まで、スタンプカードは持っていますから。     
 「がっかり」から始まった2008年。どんな年になるのかな。

  ◎ 恵方(えほう)とは、その年のよい方角のこと