ひなたぼっこばなし 第49話 「オカメインコのぴーちゃん! 」



秋深い雑木林の公園で。
枯れ葉色のまるはどこにいるでしょう。

公園

夕方の太陽のスポットライトが、
枯れ葉のじゅうたんをてらしています。

いちょうのじゅうたんは、空飛ぶじゅうたん?

  ぐんと寒くなりましたね。今回は少し長いひたなぼっこばなしです。

 11月のはじめ、わが家のオカメインコ、ぴーちゃんのおなかがふくれていることに気がついて、病院につれていきました。先生は、ぴーちゃんにバリウムを飲ませて、レントゲンをとりました。写真には、なにかにおされて腸がつぶれているようすがうつっていました。先生が「ガンができています。手術をしてとります。あけてみないとわかりませんが、このままだと死にます」ときっぱりいいました。ぴーちゃんは、バリウムを飲んだせいか、ぐったりして具合が悪そうでした。不安でしたが、先生を信じて、手術をしてもらうことにしました。

 ぴーちゃんが、家にきたのは15年前。カラスに追われて、中学校のフェンスにつかまっていたところを、息子が助けました。ですから、ぴーちゃんは少なくとも15歳以上ということになります。オカメインコの平均寿命は15年ぐらいといいますから、ぴーちゃんはおじいさんですが、今まで病気ひとつしたことがないし、姿も若くてきれいです。母が毎日のように鳥かごから出しては、肩にのせて、かわいがっていました。

 家にもどってから、私たちは話しあいまいた。病院の鳥かごの中でぐったりうずくまっていたぴーちゃんを思うと、手術をしても回復しないかもしれない。家でしずかに死なせてあげたほうが、いいのかもしれない…。そして次の日、母が先生に「ぴーちゃんを家に連れて帰りたい」と電話をしました。すると先生は、「手術すれば助かる可能性があるんですよ」と一言。この一言で、私たちはやはりベストをつくしてあげたいと心を決めて、先生にすべてを任せることにしました。

 入院してから2週間。「体力が回復したので手術をしました」との電話がありました。「ガンはとれるだけとりましたが、とりきれないものは電気メスで焼きました。あとは回復するかどうかです。3日ぐらいようすをみます」。先生の声は重たい…。いやな予感がしました。そして、悲しい予感はあたり、次の日の朝早く、先生から「亡くなりました」と電話がきました。私は、早く家につれて帰ってきたかったので、すぐにむかえにいきました。つらかったです。
 
 もし、自然界にぴーちゃんがいたら、とっくにカラスのえさになっていたかもしれない。できることはしてあげたんだと自分たちに言い聞かせることしかできません。生き物をかうとかならずいつかは「死」が待っています。覚悟してかわないといけません。ぴーちゃんは、黄色いポリアンサの下にねむっています。土にうめるとき、柴犬まるが、まわりをうろうろ。まるも7歳。いつかは別れがきます。だからこそ、今を大切にいっしょに暮らしていきたいと思います。