ひなたぼっこばなし 第57話 「すきな季節」




うちのゴーヤ。すけすけカーテン。がっくり。


じゅず玉。糸でつなぐと首飾りになります。このままお手玉にいれてもいいですよ。


おしろい花の種。編集者の方からいただきました。来年の夏は、庭にまいて、おしろい花畑にするぞ!


トランスバレントスター。千葉の友だちの幼稚園で仲間とつくりました。夏の思い出。

 今年、ずいぶんゴーヤを育てている家が多いように感じました。わが家では、1階から2階までゴーヤのカーテンでおおいたいと思って、大きめのプランターに苗を植えました。ところが大失敗。2階まで育てるには、もっともっと大きなプランターにしなければいけなかったようです。すきまだらけのゴーヤのカーテンになってしまいました。おまけに、実も4つぐらいしかできませんでした。そういえば、ちょうちょうやみつばちも、あまり飛んでこなかったような…。近所の人は、「どこも、今年はうまくいかなかったみたいよ」となぐさめてくれますが、どうなのでしょう。もし、ゴーヤを育てた人がいたら、どんなぐあいだったか、教えてください。

 秋の虫が鳴き始めましたね。8月の夜、蘆花公園(ろかこうえん)にまるちゃんの散歩にいったら、木に白いものがたくさん見えました。なにかとおもったら、殻から生まれようとしているセミ。体中におしろいをつけているように真っ白。木に白い花が咲いたようでした。そのセミが、今や地面におち、アリにくわれたり、車につぶされていたり。生まれてから1週間たらずで死んでいく。自然のあいずで、生まれ、死んでいく。そして、今度は秋の虫たちがオレたちの出番とばかりに歌いだす。季節の変わり目にいつも感じる自然の‘ふしぎ’です。

 さて、冷たい麦茶よりあたたかいほうじ茶が飲みたくなる季節。神社で、秋の豊作を感謝する祭りがおこなわれる季節。くだもの屋さんの店先に、ナシやブドウがならぶ季節。半そでより、長そでを着たくなる季節。まるちゃんの毛が冬毛にはえかわる季節。私は、秋が大すきです。まると散歩する小道には、じゅず玉がいっぱいあります。もっと色づくのをまって、とろうと思うのですが、私よりはやくとってしまうダレカがいるようで、いつも少ししかとれません。今年こそは、がんばる!ヨウシュヤマゴボウも、色づいてきました。セミや秋の虫と同じように、自然のあいずで、植物も変身していくのですね。
 私も自然のあいずをキャッチできるアンテナをもう一度みがいて、ピンとたててみたら、もっといいお話を書けるかもしれない。まず、アンテナをさがさなければ。ふと不安になる。あるかしら。

 今回は、秋の雲のような、うすーいひなたぼっこばなしになったような気がしますが、エイッ!気をとりなおして、9月は空がきれいにみえる季節。上をむいて歩きましょう。ちなみに、今年の十五夜は、9月ではなく10月4日ごろだそうです。晴れるといいですね。