ひなたぼっこばなし 第65話 「とってもおいしいフルーツコーン!」

フルーツコーン!ぷっくりしてておいしそう。

まるちゃんは、まわりの皮がすき。

とうもろこしのひげは
おばあちゃんのかみの毛?!

 アブラゼミの声がにぎやかに聞こえています。ミンミンゼミの声も聞こえます。
 夏ですね!夏といえば、とうもろこし。
 山梨県鳴沢村にある山物市場さんのとう もろこしは、とってもおいしいです。今年は行けそうもないので送ってもらいました。

 箱をあけたとたん、プーン。土のにおいがしました。ふさふさとあふれでているひげも、フワフワサラサラ。30本送ってもらって、20本はおばあちゃんの家に届けました。あと10本は家族の分。

 みなさんは、とうもろこしをどうやって食べますか。子どものころ、父は焼きとうもろこしにしてくれました。とうもろこしのひげで作った刷毛でしょうゆをぬりつけながら焼くのです。しょうゆのこうばしい香りがして、焼き上がるのをいまかいまかと待っていたのを覚えています。
今は、もっぱらゆでて食べますが、フルーツコーンは、なまで食べてもおいしい!
甘くて、果物のようです。だから、フルーツコーンね。

 ところで、友人から「とうもろこしおばあさん」という話をおしえてもらいました。アメリカ・インディアンの民話です。簡単にお話しましょう。
『ある家族が、一人のおばあさんを家にとめてあげました。おばあさんは、とうもろこしのパンを焼いてみんなにふるまってくれました。とうもろこしなど、食べたことがなかったので、みんなは大喜び。でも主人はおばあさんが、いったいどこからとうもろこしを手に入れるのだろうとふしぎに思い、ある日、そっとテントをのぞいてみると……。おばあさんが、着物をひょいとあげて、ももをぼりぼりかきはじめたら、とうもろこしのつぶが、ぽろぽろとおちて山のようになったのです。それをみた主人は、もうとうもろこしのパンを食べられなくなりました。おばあさんはみられたことを知って、枯れ草に火をつけるようにいいます。主人が言われたとおりにすると、枯れ草は灰になり平原にひろがりました。次に「私のかみの毛をつかんで灰の上をひきずりまわし、私をもやしておしまい。3どまるい月が空にのぼったら見にくるように」といいました。主人はこわくなりましたが、おばあさんのいうとおりにしました。そして、3どまるい月がのぼったので平原にいくと、とうもろこしがいっぱいなっていました。おばあさんのかみの毛のような毛が実からのぞいていました。』

 ちょっとどきっとしますが、死んで、そこから命が芽生えるという自然の輪を感じます。あらためてとうもろこしのひげをみると、うーん。おばあさんの毛に・・みえる?!