ひなたぼっこばなし 第78話 「愛車の手術」

 
タイヤもしっかり止めます。落ちたら大変だものね。
 
神戸にむけて出発。
 
手術前。
 
手術後。どこがちがうかな。
 
お帰り!


 おいしい柿をいただきました。お庭の柿の木に実った柿だそうです。「わっ、ざぼんじいさんの柿だ」とうれしくなりました。
 ざぼんじいさんといえば、専門学校の絵本作家コースの学生さんたちにお話をする機会があった時「ざぼんじいさんのかきのき」を紹介しました。すると「あっ、うちにある!」。さらに「かきのへたでコマを作ったけど、回りませんでした」。「は、はぁ・・」。なんと答えていいのやら。うれしいけど、こういう場面は何年たっても気恥ずかしい。


 さて、すでにひなたぼっこばなし(61話)にも書きましたが、うちの車はとにかく古い。何度も修理にだしています。走っていて急にとまってしまうのですから、乗るたびにハラハラします。急な坂道を上るときも、止まったらどうしようってドキドキします。そしたら、とうとう暖房がきかなくなりました。直せばいいのですが、お金もかかるし、全体的にギシギシいってる気がするし。この車も引退したがっているのだわと思い、私は迷ったすえ、「もうお別れしよう」と家族にいいました。


 そうしたら、息子たちが、「オートマチックをマニュアルにしよう」と言うのです。意味わかります?マニュアルというのは、クラッチとかいうのを使って、速度に応じていちいちギアーを変えて運転しなければなりません。なんで、そんな面倒(めんどう)な車にするわけ?「えーっ」って言っている間に、愛車は神戸の修理工場へと運ばれていきました。姿が見えなくなるまでお見送りをしたものの、「えー、なんでー」。


 「性格がかわって帰ってくるよ」「すごくなって帰ってくるよ」「オオカミ王になって帰ってくるよ」……。な、なんですって? 私は運転しないから、別にいいけど性格が変って帰ってくるというのは気になる発言。車は運転する人によって性格が変るものでしょう。そして、待つこと1ヶ月ちょっと。大手術を終えて、愛車が神戸から帰ってきました。私はこの日、立ち会えませんでしたが、みんなはワクワクお出迎え。


 どんなふうに性格が変ったかどうかわからないけど、「エンジン音がいいな」「運転して楽しいな」と息子たちは大喜び。今、愛車は再び我が家の車庫におさまっています。もちろん、見かけは変りませんが、ひょっとしたら、「ガンガン走るぜ」って思っているのかもしれません。なんでもいいから、とにかく途中で止まらないでください。それだけは、お願いします。