屋久島ってどんなところ?
花山歩道入口にて。奧岳山岳部の2泊3日の巡視を終えて花山歩道に下山したところ。 このような服装で、屋久島を歩き回り、自然を守る仕事をしています。右側が”もとさん ”。

屋久島が1,993年(平成5年)12月に白神山地とともに世界自然遺産に指定されてから12年が経過しました。

屋久島が世界自然遺産に指定された理由の一つは世界的に特異な樹齢数千年の屋久杉をはじめとした多様な植物、ヤクシカやヤクザルといった動物などの自然の生態系、花崗岩の奇岩からなる景観の素晴らしさ豊富さなどです。このように自然一杯の屋久島には、離島で交通の利便性に恵まれていない中にあっても約30万の人が訪れています。

私も屋久島での勤務が2年を経過し、屋久島のことも大夫分かってきていますので、折々で屋久島の素晴らしさなどについて紹介していきたいと思いますので、宜しくお願いします。

今回は自然遺産の島”屋久島”についての概要の一部を紹介することとします。

ところで、皆さん、屋久島は日本のどこに位置しているか分かりますか。
屋久島の地図(国土地理院の地図で屋久島の場所をご確認ください。→)を見てください。屋久島は、九州最南端の佐多岬の南方約60kmに位置し、島の面積は約5万ヘクタールで日本の島の中では第6位(ちなみに第1位は、佐渡島で面積は約8.6万ヘクタール。)、島の直径は東西28km〜南北24km、車で一周すれば約100kmとなる円形の島となっています。その小さな島に、九州最高峰の宮之浦岳1,936mをはじめとして1,000m以上の高峰が連なっていることから、「洋上アルプス」とも呼ばれています。近くを黒潮が流れていて、林芙美子の小説「浮雲」の中で「月に35日雨が降る」と書かれているように島の中央部では年間降水量が8,000〜10,000mmに達するほど雨が多く、一方、冬には縄文杉が生育している標高1,300m地点で多いときには2mを越える積雪があるなど想像を絶する南の島です。

そのような特異な自然の中に位置することから、様々な植物などの種が豊富に生育していることにもつながっていると思われます。

屋久島の国有林面積は、約3.8万ヘクタールで島の約76%(約4分の3)、自然遺産地域の面積は、約1万ヘクタールで島の面積の約20%、約95%が国有林となっています。 屋久島の国有林は、林野庁の屋久島森林管理署で管理していますが、私たちが勤務している「屋久島森林環境保全センター」では、自然遺産地域など屋久島の貴重な植物や自然などの保全や管理や普及教育関係などの仕事に携わっています。

※国土地理院の地図で屋久島の場所をご確認いただけます。
  http://watchizu.gsi.go.jp/mapsearch.html

【用語の説明】 
●降水量は、雨、雪などのふったものを水の量にして、ふった場所における水の深さmm(ミリメートル)で表します。

(例)年間降水量10,000mmとは、年間にふった水の量をためたら10mの深になること。この水はどこへ流れるのか分かりますよね。普通の地域では、2〜3m、多いところで4m位ではないでしょうか。想像できますか。

●1ヘクタールの面積は、100m×100m=10,000m2(平方メートル)。

(例)野球場の面積で確認してみれば、ホームから両方の外野フェンスまでの距離を100mと想定した場合、100m×100m=10,000m2となり、約1ヘクタールとなりますね。

●国有林は、国民共通の財産で国(農林水産省の林野庁や他の機関)が管理している森林など。一般的に森林の分類には、国有林と民有林といった分け方をしています。