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樹齢3千年と言われている屋久杉。
万代杉とよばれています。 |
前回の「屋久島だよりで屋久島ってどんなとこ?」のなかで屋久島をご紹介しました。皆さん、屋久島と聞いて一番に先に思うことはなんでしょうか?
屋久島には、縄文杉(じょうもんすぎ)があると聞いたことはありませんか?樹齢(じゅれい:きのねんれい)を聞いたら、皆さんきっと気が遠くなることでしょう。
現在の屋久杉(やくすぎ)のなかで、一番長生きしている縄文杉の樹齢は、およそ2200年から7200年と言われています。このことは世界的にもよくしられていることだと思います。
今回は、屋久杉のふしぎについてお話しをして、実際に写真で屋久杉をご紹介することにしましょう。
屋久島に育っている杉の種類について
屋久島では、人の手をかけずに自然に育った杉の中で樹齢千年以上の杉を「屋久杉」、樹齢千年以下の杉を「小杉(こすぎ)」といって区別しています。また、人が植えた杉のことを、「人工林(じんこうりん)」と言ったり、「地杉(じすぎ)」と言ったりします。屋久島の人工林(地杉)については、現在、樹齢70年生程度が最も古い樹齢となっています。ですから、屋久島の天然の杉がいかに長く生きているかわかることでしょう。
屋久杉の育ち方のふしぎ
次に、屋久島の天然の杉はとてもふしぎな育ち方のものが見られます。
育ち方は、だいたい2つあります。一つは昔の人が屋久杉をきったあとの切株に生えたこけの上に、二つめは台風などで折れたり倒れたりして地面に横たわっている木に生えたこけの上に杉のたねが落ちて発芽したものです。それが大きく成長して、樹齢が数千年と長生きしているのです。
屋久杉の木のかたちのふしぎ
次に、屋久杉の木のかたちについて見てみましょう。
屋久島はまわりを海にかこまれた島です。ちょうど台風の通りみちになっています。昔から風速50m以上の、ものすごい強い台風がくりかえし屋久島を通ります。そのため屋久杉を根もとからたおしたり、幹を折ったりする被害がくりかえされています。被害を受けた屋久杉のかたちを見て、屋久島の自然環境のきびしさを感じるとともに、屋久杉の生きる力の強さにおどろかされます。あとで写真でお見せしましょう。
屋久杉の歴史
屋久杉には、今から約500年も前から島の人々が生活に利用するためにたくさんの木がきられてしまった歴史があります。しかし、そのごふたたび屋久杉は大きく育って、現在のようにりっぱな屋久島の森林になりました。
屋久島工芸品の材料は・・・
きられたけれども使われなかった木や、切株(きりかぶ:きりたおされたあとにのこった木の根)が今も山に残っています。こうした屋久杉や切株が、今ではこけをかぶったりしているのですが、くさることなく、今でも木材(もくざい:ざいりょうとしてつかうための木)として使うことができることがしんじられますか?それが、今でもりっぱな屋久杉工芸品(やくすぎこうげいひん:屋久杉でつくられるテーブルやかざりものなどおみやげのしな)の材料になっているのです。
屋久杉の育ち方やきのかたちや、くさらないふしぎも、屋久島の自然や森林の大きなとくちょうになっていると言えます。 |