僕が住んでいるところは
僕が今住んでいるところは、北海道の北東につき出た知床半島(しれとこはんとう)にあるウトロという町です。ウトロは、漁師町(りょうしまち)であると共に知床国立公園(しれとここくりつこうえん)の玄関口(げんかんぐち)として夏にはたくさんの観光客(かんこうきゃく)でにぎわいます。ウトロの町から海岸道路(かいがんどうろ)を10分ほど行き、ホロベツ川を渡るともうそこは知床国立公園です。

オホーツク海を見下ろしながら坂を上っていくと、森の中にひっそりと建つ知床自然センターがあります。知床国立公園に来るたくさんの人がまず立ちよるのが知床自然センターです。ここには、ダイナビジョンという知床半島を上空から紹介(しょうかい)する映画を見ることが出来る他、レストランやおみやげやさんがあります。

僕は知床自然センターの裏にある鳥獣保護(ちょうじゅうほご)センターという小さな木の建物(たてもの)の中で働いています。そこで野生動物対策員(やせいどうぶつたいさくいん)として、野生動物(やせいどうぶつ)の保護(ほご)や管理(かんり)の仕事をしています。分かりやすく言うと、春から秋にかけてたくさんのヒグマ(北海道だけに住むクマ)が行動するので、どこにいるのか調査をしたり、ウトロに住んでいる人の安全のために小学校の周りに電気牧柵(でんきぼくさく)というヒグマよけの柵(さく)を取り付けたり、観光客の安全のために公園内(こうえんない)のパトロールやヒグマの追い払い、危険や注意を知らせる看板をつけたりしています。また交通事故(こうつうじこ)でひかれた野生動物を受け入れ、計測(けいそく)して今後必要なデータを残しています。僕達は、知床の野生動物が人間と共にくらせるようにがんばっています。