4月は、主に知床岬でキャンプしながらシカの自然死調査をしていました。100頭ほどのシカが昨年の冬から今年の春にかけて死んだようです。毎年同じ時期に、同じ内容で調査をして変化を見ているのです。
知床国立公園(しれとここくりつこうえん)には、年間160万人以上のかんこうきゃくが来ます。多くは、ふだん野生動物(やせいどうぶつ)を見ることの少ない都会からの人たちです。
国立公園内では、クマやシカ、キツネなどの野生動物が道路に出てくることがあり、とてもみりょくてきです。しかし野生動物を犬やネコなどのペットと同じように思っている人がいて、食べ物をあたえてしまう人がいます。これは、たいへん良くないことです。なぜなら動物は、一度人間から食べ物をあたえられると、自分でさがすより楽なのでねだるようになります。そして食べ物がもらえなくなると、ゴミをあらすようになります。これは本当の野生動物のすがたではありません。また人間から食べ物をもらおうと道路にでてくるので、交通事故にあってしまうこともあります。人間が食べ物をあたえようとして、まちがって手をかまれてしまったこともあります。野生動物には病気をもっているのもいるのできけんです。
そのため僕たちは、野生動物に食べ物をあたえている人を見たら注意(ちゅうい)して、なぜダメなのか書いてあるパンフレットをくばり説明(せつめい)します。またよく食べ物をねだりに出てくる場所には、注意かんばんを立てて、食べ物をあたえないようにおねがいしています。
みんなで野生動物に食べ物をあたえないように気をつければ、本当の野生動物のすがたが見られる国立公園になると思います。
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