知床の夏
今年の夏も知床にはたくさんの観光客(かんこうきゃく)が来ました。その多くは、ホテルや民宿(みんしゅく)に 泊まりますが、キャンプやつりをする人たちは浜辺や駐車場(ちゅううしゃじょう)で寝泊りしていました。 僕たち鳥獣保護センター(ちょうじゅうほご)では外で寝泊りする人たちの安全とマナーを考え毎日パトロールをしました。


夏が始まるころ、国立公園へ向かう道路の駐車場に“キャンプ禁止”と“ゴミのなげすて禁止”看板を いくつもつけました。なぜなら町を汚して欲しくないから、そしてここ知床にはたくさんのヒグマがすぐ近くの森に 住んでいるからです。外で料理をしてそのすぐ近くでテントをはると、クマは食べ物のにおいにひきつけられて 森から出てきてしまいます。するとテントで寝ている人にとってはとても危険だからです。 またなげすてられたゴミをヒグマが食べ味をおぼえてしまうと、もっと食べたくなり人間の住んでいるところにまで 出てきてしまいます。

夏の間でも一番観光客の来るおぼんにはいくつもの駐車場をまわり、パトロールをしてキャンプをする人や車の中で 寝る人たちひとりひとりに夜寝るときは、食べ物やゴミはまとめて車の中に入れて置くようにお願いし、 くわしく書いてあるチラシをくばって歩きました。おぼんが終わり、パトロールをしてまわると、 キャンプしていたところには残念なことにゴミがたくさん捨てられていました。そこでボランティアさんたちに 手伝ってもらいひとつひとつゴミを拾いました。すると読んでもらうためにいっしょうけんめいにくばった あのチラシがすててあり、とてもざんねんな気分になりました。

来年の夏は世界自然遺産(せかいしぜんいさん)になるかもしれない知床にはたくさんの観光客がくることでしょう。 そのためにも僕たちは、きれいで安全に楽しめる知床であるようにがんばります。