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畑に出るヒグマ |
東京では日中30度にもなるこのごろ、知床では少しずつ山の木の葉も色が
紅葉(こうよう)し始め、秋らしくなってきました。
国立公園のある斜里町では、山のふもとにまで広がっていた森を少しずつ切り開き、畑が作られました。
今までヒグマなどの野生動物(やせいどうぶつ)が住んでいたところには、ビートやじゃがいも、小麦(こむぎ)などが
植えられています。ビートはヒグマが大好きな食べ物のひとつで、春に植えてからすこしずつ大きくなり、
10月ごろ甘くなったら収穫(しゅうかく)されます。この甘くなってきたビートを食べに森から畑に出てくる人間を
こわがらないヒグマがいます。このタイプのヒグマは、ひとばん畑に出るとかなりのひがいを出します。
ヒグマは、ひとつのビートのおいしいところだけを食べ、また別のを食べるからです。いっしょうけんめい育ててきた
農家さんにとっては大きな問題です。ビートが大きくなったら売ろうと思っていたのに、ヒグマに食べられては
売れなくなってしまうからです。
知床の森には、ヒグマにとってたくさんの食べ物があり、畑に出るほど食べ物に困っているわけではありません。これらの問題に僕たちは、畑に出て農作物(のうさくもつ)をあらすヒグマが出たら、どのくらい農作物が食べられたか、どのくらいの足の大きさのクマなのか、何頭出ているのか、何が問題なのかなどをくわしくしらべます。またその後も農地を時々パトロールして、ヒグマが出ていないか見回りをし、農家さんといっしょにどうすれば問題がなくなるか考えています。
農作物カバーシートの上で遊ぶ仔グマの足跡
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