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遡上するサケ・マス |
知床の森にも初雪が降りました。山の上には真っ白な雪がうっすらとつもり、紅葉(こうよう)した 木の葉もすこしずつ葉を落とし始めました。
今年は、夏あたたかく、海の水温が高かったせいでカラフトマスやシロザケが川を上り、卵を産む (そじょう)のがおそいと国立公園のすぐ近くを流れる川に釣りに来た人が言っていました。
魚の遡上(そじょう)が少ないと、釣った魚を投げすてるようなことをする一部の人も少ないようです。 北海道のサケやマスが遡上(そじょう)する川の多くで問題になっているのが、釣ったメスの魚の
サケやマスからイクラ(おなかの中のたまご)だけを取り出したり、オスの魚はじゃまなのか、 生きたまま陸(りく)にすててしまう人が一部いることです。もちろん多くの釣り人は、
釣った魚を全て持ち帰りますが。
僕が北極に住んでいた一時期、イヌイットの家族と共に自給自足(じきゅうじそく)の生活を していました。彼らは、石の彫刻(ちょうこく)を売ってお金をえていました。でもそれだけでは
家族10人が生活するにはたりなかったので、夏には川に網(あみ)をはって北極イワナをつかまえ、 クーラーボックスを借りて、つかまえた魚を6時間かけてボートで村へ持って行き、売っていました。
自然と共に生活し、生きるために魚をつかまえていたのでイクラだけを取り出して捨てるようなことは 絶対にありませんでした。このような体験をして来たため、北海道へ来て魚が投げすてられるのを
初めて見て、とてもざんねんに思いました。
僕たち知床財団(しれとこざいだん)では、釣り人に目立つところへ注意看板を立て、 パトロールすることによって少しでも魚のなげすてがへるようにがんばっています。
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